中小企業はプレミアムフライデーをどう活かすか?
平成24年2月24日から始まるプレミアムフライデー。終業時間を午後3時に早めて、早く帰ることで、週末を楽しみ、ひいては、消費活動を活発にすることを目的としている。
【プレミアムフライデーとは?】
経済産業省主導で、官民連携で設立された、「プレミアムフライデー推進協議会」が中心になって、実施されていく。この2月24日から月末の金曜日を軸に展開される。
経産省のホームページには、実施方針に加えて、なんとも可愛らしい、「統一ロゴマーク」まで発表された。
プレミアムフライデーの内容は、
個人が幸せや楽しさを感じられる体験(買物や家族との外食、観光等)や、そのための時間の創出を促すことで、
1) 充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革への機会になる
2) 地域等のコミュニティ機能強化や一体感の醸成につながる
3)(単なる安売りではなく)デフレ的傾向を変えていくきっかけとなる
といった効果につなげていく取組です。(経済産業省のホームページより)
とのこと。
プレミアムフライデーに賛同された企業も多く、すでにかなりの企業が、ロゴマークを申請している。
具体的な取り組みを発表している企業も多く、吉野家は、プレミアムフライデーに牛丼を半額、JR東日本は、街づくりのためのイベントを開催、サントリーと組んで、お座敷列車や旅行商品を企画、よみうりランドは、割安チケットの販売、ザ・プリンス軽井沢は、特別宿泊プランを企画、と、ここを勝機とばかりに、動いている。
【中小企業は何をすべきか?】
我々中小企業も、行政が生活者の「週末消費を喚起」してくれる、絶好の機会を逃す手はない。
では、どのようにして販促企画を立てるべきか?まずは、生活者の生活がどう変わり、どんな行動をするかという、仮説を立ててみるとよい。
この日は、普段より早い午後3時に終わるので、普段より多いその3時間を使ってどんなことをするのか?を、想像してみる。
あなたが飲食店オーナーであれば、プレフラセットと称し、「買い物前に、シャンパンはいかが?」という企画を立ててもよいし、「プレフラ・ブランチ」と、早めの11時始まりの、軽めのランチを提供してもよい。
旅行代理店であれば、2泊3日のツアー旅行に、特別な観光などを付けられるし、ケータリング会社であれば、「福利厚生の一環として、プレフラ・パーティーはいかがですか?」と企業の人事部に提案するのもいいだろう。
重要なことは、単なる値引きや、流行りの販促を実施するのではなく、自社のターゲットが喜ぶであろう、ニーズをしっかりと把握し、実施することだろう。
【単なる割引企画では意味がない】
注意すべきは、単なる集客策に終わらせないこと。シンプルな割引きだけでは、「安いものが好きな」一過性の人たちが来て終了、ということになりかねない。
割引きというよりも、お値打ち感を出し、自社の良さを知ってもらったうえで、次回からも来てもらえれば、もっと上質な生活を過ごせるということを、理解してもらえる機会ととらえるべきだ。
そのためには、お客様が何度も来たくなる、新作メニューのような「価値」を、提供できるよう努力をすべきだし、新しい価値をちゃんとわかってもらえるよう、コミュニケーションできる仕組みを構築するとよい。
そのためには、ポイントカードの発行や、LINE@のサービスの導入など、新規顧客に、次の一手を知らせる、コミュニケーションツールを、用意しておくことが肝要だ。
■目次
… 1. 特集 「プレミアムフライデーの波に乗れ」
… 2. コラム 「けた違いに売る人の接客接遇の神髄」
… 3. 書評 「BCGの特訓」
… 4. ワンポイント時間術「PRのプロをブレーンにしろ!」
… 5. 著書・イベントのお知らせ
… 6. 編集後記