特集【ネットライフ1万人調査から見えてくる、今後マーケティングですべきこと】
ネットの進化を振り返る
今号では、今のネットライフの動向から、我々が何をすべきかを考えていくが、その前にまず、ここ最近のネトの変遷をレビューしてみる。
2007年にiPhoneが世に出て、Webが双方でコミュニケーションできるようになり、Web2.0のフェイズに移行した。
それまで、生活者としては見るだけのメディアだったインターネットが、消費者が自分で発信できるようになった。ブログや、YouTubeなど、いわゆる消費者生成メディア(=CGM Consumer Generated Media)の誕生だ。
さらに、このようなメディアに、コメントできるようになり、また人の投稿を共有・シェアすることや、いいね、いう意思を表すこともできるようになったのが、2009年ごろから。そしてその発展によっての、ソーシャルメディアの登場となる。
この頃にツイッター、フェイスブックといった、仲間、フレンド、フォロワー達に、情報を発信し、反応を確かめ、さらに拡散していく、というSNSのスタイルが確立された。
このようなインターネットの浸透と発展は、常に、インフラとハードウエアの進化とともに進んできた。
インフラの中でも、特に通信環境の整備が、インターネットの普及と進化に寄与している。
ほんの15年くらい前までは、常時接続ではなく、電話回線も使われていたが、今よりも、回線速度が遅く、動画はおろか、静止画像を見ることにも、難儀したものだった。
また、無線環境も充実し、回線速度も劇的に上がった。4Gの登場で、どこででもインターネット接続で、動画などのリッチなコンテンツを見られるようになったし、5Gが普及すればさらに、ということになりそうだ。
ハードウエアに関しても、パソコンのスリム化や、iPhoneやiPad のような携帯デバイスの発展で、情報の授受や発信が容易になったことも、メディアとしてのインターネットを激変させた。
このハードとソフト、コンテンツの進化が、めまぐるしい今、私たちが何をすればいいのか、何に備え、何を準備すべきかを考えていく。
今時のネットライフ〜スマホ決済
日経MJの10月17日号に、ネットライフ1万人調査が載っていた。カテゴリを4つで、スマホ決済、動画、SNS、CtoCなどだった。
まずはスマホ決済。スマホで通販をする割合が非常に増えて、消費額ではなんと4割。PCが減っていることを考えると、かなりの割合になっているといえる。
よく使われる主なスマホ決済のプラットフォームとしては、楽天Edy、 Id、スイカ、ラインペイが挙げられている。
全体では45パーセントが楽天Edyを使っているとのこと。年代別で顕著な差が出ているのが興味深い。
さらに、年代別で分解していくと、楽天Edyは3、40代以上の間で人気で。
一方で、10代後半の同じアンケート見ると、LINEペイが圧倒的人気で、42.9%が使っているとのこと。次にスイカ、そして楽天Edyは12.9%と3位になってしまう。
面白いのは、20代のアンケート結果だ。楽天Edy、Id、Suicaが30%前後で拮抗している。LINEペイは23.8%で4位だが、この4つがほぼ同じような割合で使われているのが面白い。
次にすぐ決済で支払われている場所と、そのランキング載っている。
やはり1番多いのはコンビニで、70%の人がコンビニでスマホ決済を利用したと答えている。そして、スーパー、ファーストフード店、ドラッグストアと続いていく。
レストランや家電量販店そして美容院など、1個(1回)単位あたりの商品単価が、ある程度高い場所に関して、まだ使われていないことがここからは読み取れる。
興味深いのは、利用者の需要拡大を受けて、小売業もスマホ決済への動きを本格化させている点だ。
ローソンは4月に、スマホ決済サービスを開始。ローソンそのものが、コンビニATMを開業したこともあり、金融と小売の垣根が、どんどん減っていく傾向にありそうだ。
アマゾンバンクもこういった大きな流れの中で、銀行事業をスタートさせる可能性も、容易に予想される。
スマホ決済、とはとりもなおさずキャッシュレスになっていく、というトレンドの真っ只中にあることになる。
これは、政府も本腰を入れて、来年の消費税増税時に、キャッシュレスでの決済であれば税金を優遇、というような措置も取られることになるであろう。
動画ライブ配信
次に、面白いのは、ネットライブでも特に動画、ライブ動画の楽しみ方の変化だ。
カテゴリーとして、1番人気があるのは、ニュースやスポーツを抑えて、「エンタメ」とのこと。特に、YouTuberがアップするライブ動画だとのことだ。
しかも、男性は7割超が、このYouTuberのライブ動画を見たことがある、というデータも出ているそうだ。
ここ最近は、ブイチューバーと呼ばれる、バーチャルのボーカロイドのような、3次元の架空キャラが運営するチャンネルが非常に人気があるということだ。
動画サービスについては、AbemaTVも出てきたし、ニコニコ動画も健在なので、また新しい展開が起こりそうだ。