消えた駅弁17「米の国ニッポン弁/新津駅」

 駅弁はご飯のうまさが肝。

どんなに高級な食材を使っていても、どれだけ腕の良い親方が名物料理を作っていても、ごはんがまずければガッカリする。うまい米、ご飯を詰めた上等な駅弁はサイコー、毎日でも食べたい。

そんな駅弁を作ろうと、米にこだわった駅弁を旅行会員誌『ジパング倶楽部』で企画し、私もスタート時から参加した。

まずは外堀から固めようと容器についてディスカッション。昔から駅弁容器といえば経木。当然、経木に決める。しかし、真骨頂はご飯にある。魚沼産コシヒカリ、山形産はえぬき、北海道産ふっくりんこの3種類の米を丁寧に炊き込んで、ひとつの容器に詰めた。見た目ではわからないが、ゆっくり噛み締めるとそれぞれのご飯の特徴がわかってくる。

ご飯の上には焼き鮭、梅干し、焼きたらこ、おかかなどをのせた。おかずをシンプルにしたのもご飯をじっくり味わってほしいため。これ以上シンプルな駅弁はなかなか見つからない。鮭は村上市の塩引鮭、梅は紀州南高梅とおかずもこだわり抜いている。

 容器を包む風呂敷は、新潟県十日町特産のからむし織り。触り心地よく、使い込むほどに風合いが出る。

2014年の年初に開催された京王百貨店新宿店の「駅弁大会」では、意外性のある内容が話題を呼んだ。

嗚呼それほど愛をこめて作った駅弁も今はない。。

もう一度食べたいなあ。。。。。

1600円(当時)/三新軒