福岡市の「JR九州フードサービス」が販売していた駅弁。
2013年に行われた「第9回九州駅弁グランプリ」では福岡県の代表を決定する地区予選会に出品され、惜しくも代表の座は逃したものの、品数の豊富さや繊細な味わいが高い評価を得た。
内容は大きく3等分されている。センターを占めるのは、ゴマを振りかけた白飯の上に梅干をのせた日の丸ご飯。その左には、シメジ、椎茸など4種類のキノコを使った混ぜご飯、右には博多名物のサバ明太やホタテクリームコロッケ、煮物、蒲鉾などのおかず群が詰められている。
具材が豊富なキノコご飯は、キノコの出汁が香り、添えられた銀杏もうまい。
おかずの中で存在感を示すのはサバ明太。明太子を塗ったサバをこんがりと焼いてあり、脂ののったサバの旨みと明太子のピリ辛味とのコンビネーションが絶妙。ご飯というよりも酒の肴だ。サツマイモの煮たのはあっさりと。ほどよいデザートになる。
焼きもの、煮物、揚げ物がバランスよく入り、良い弁当だった。
もう一度食べたかったが、復刻はないかと調製元に電話してみたが、担当者はこの弁当が存在したことも知らない様子。こうやって消えた駅弁は調製元の記憶からも消えていく。頑張って記しておこうと強く思うのだった。
1050円(当時)/JR九州フードサービス