明治初期に生まれた駅弁は、100年以上続いているロングセラーもあれば新作として登場したものの、あっという間に消えていくものもある。
「消えた駅弁」では、今は無き、しかし記憶にとどめたい駅弁を紹介していきます。
まずは神戸駅の「神戸ポートタワー弁当」。神戸市の淡路屋が2014年7月に発売した駅弁で、前年11月に開業50周年を迎えた港町神戸のシンボル、神戸ポートタワーをモチーフにした。
容器はポートタワーを模したもの。ポップだがどこか昭和を感じる蓋のデザインがグッド。手に取ると、センターラインが女性のウエストのようにきゅっと締まって持ちやすい。また裏側にはライトアップされた夜のポートタワーをプリント。リバーシブルのコートのようにどちらも楽しめた。
中身はエビフライ、ハンバーグ、カニクリームコロッケ、牛バラ肉煮、ジャガイモ素揚げ、そしてサフランライスなどの詰め合わせ。異国情緒あふれる神戸の雰囲気を再現した洋風の駅弁に仕上がっていて、大人も子供も楽しめた。
大正12年創業、地元神戸のオリバーソースの中濃タイプを添えており、エビフライにかけると極上の味わい。ビールを買って、まずは大ぶりのエビフライで一杯、がうまかったな。ライスが容器の隅々まで詰められ、ボリュームにも不足はない。
復刻はないかと淡路屋に電話してみたが「ありません」とひとこと。残念。
1000円(当時)/淡路屋