■はじめに
30年近くクレジットカードを追いかけてきました。新しい仕組みやサービス
に注目してきましたが、ここ1~2年、風向きが変わってきました。
「レジェンドの時代」に入ってきたと感じています。レジェンドとは伝説であり、歴史のことです。
10年前にフリーズして止まった伝説的な技術が再び動き出して世間を賑わしているという事例です。最近では、アップルペイにフェリカが載ったという事件がありました。
それまで国際基準にあわないというだけで、ガラパゴスといわれた技術が突然アップルに拾われて旋風を巻き起こしつつあります。フェリカって何だと若い人たちは目を輝かせます。
同じようなことがトランプ大統領の誕生でもありました。クレジットスコアです。
金融業界の審査に使われる便利な「信用偏差値」ですが、そのクレジットスコアこそは、米国の象徴であり、4回の破産から不死鳥のように甦ったトランプを支えたバックボーンでした。
今回はその話をしましょう。
【目次】
1.岩田昭男師範の大予言!
●「岩田が取材で掴んだカードの最新トレンド」
A.アメリカの悲劇・トランプ大統領誕生!
その背景にある「クレジットスコア」社会とは何か?
2.お知らせ
1. 岩田昭男師範の大予言!
●「岩田が取材で掴んだ最新トレンド」
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A.アメリカの悲劇・トランプ大統領誕生!
その背景にある「クレジットスコア」社会とは何か?
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■アメリカ人を格付けする「信用偏差値」
アメリカ大統領選は、ヒラリー・クリントンがドナルド・トランプに敗れるという衝撃的な結果となりました。
この大番狂わせのもたらす影響については、今後、さまざまなことが論じられると思いますが、ここでは、アメリカの「クレジットスコア」についてお話しようと思います。
クレジットスコアといってもご存じない方が大半だと思いますが、実は、今回のアメリカ大統領選を見ていて、早い時期から私はクレジットスコアという言葉を思い浮かべました。
なぜなら、トランプ、クリントン、サンダースといった候補者たちがクレジットスコアというものをそれぞれよく反映していたように思えたからです。
アメリカがクレジット社会であることはみなさんよくご存じだと思います。
では、クレジットスコアとはどのようなものでしょうか、簡単に説明しましょう。
日本でクレジットカードをつくる際は、カード会社の審査を通らないといけません。クレジットカード会社は、カードを申し込んだ人の「Capacity:資力」「Character:性格」「Capital:資産」にそれぞれ点数をつけて評価、判断を行っています。
しかし、これらの数字はそれぞれの企業が持つ個人の情報をもとに算出されているため、詳しい計算方法は非公開です。
これに対してアメリカの場合は、クレジットカードの購買履歴だけでなく、各種のローンや公共料金の支払いなどの顧客情報が、大手信用情報機関に集められていて、そのデータをもとに個人の「信用偏差値」が算出されます。