■はじめに
アップルペイの登場で、国際ブランド中心で動いてきたクレジットカード業界が大転換を迫られています。アップルというスマホ事業者の存在感がまして、クレジットカード業界の盟主であるVISAの立場を脅かしています。今回はアップルとVISAの駆け引きを軸に、その戦いをルポすると共に、カード業界の行方を占います。
【目次】
1.岩田昭男師範の大予言!
●「岩田が取材で掴んだカードの最新トレンド」
A. 「アップルペイが日本のクレジット業界に風穴をあける!揺らぐVISAの一強支配!」
2.お知らせ
動画付きのアップルペイ特設コーナーを上級カード道場内に設置しました。その内容を紹介します。
1. 岩田昭男師範の大予言!
●「岩田が取材で掴んだ最新トレンド」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
A.「アップルペイが日本のクレジット業界に風穴をあける!揺らぐVISAの一強支配!」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
■日本のクレジットカード業界を揺るがす黒船
10月25日にアップルの決済サービス「アップルペイ」がスタートして1カ月がたちました。そこで今回は、アップルペイがクレジット業界に与える影響や個々のクレジットカードがどんな対応をしているかといったことについて考えてみたいと思います。
あるクレジットカード会社の幹部は、「アップルの発表があってから混乱状態が続いていたのですが、やっとここにきて少し嵐が収まってきたというところでしょうか」と話しています。
この話からわかるように、アップルペイの参入は、日本のクレジット業界を揺るがす、まさに黒船だったといえます。
具体的に何が変わるのかといえば、ひとつは、ツール、あるいはデバイスといっていいかもしれません。決済の手段がプラスチックカードからスマホ、すなわちiPhoneに変わったことです。それによってクレジットカード会社は大きな影響を受けるし、利用者もこれまでとは異なる使い方を余儀なくされます。
もうひとつは、ガラパゴスといわれていた非接触型ICカードの通信規格「フェリカ」が、iPhoneに載ることによってSuicaが主役として表舞台に躍り出たことです。
こうしたことが、クレジットカード業界全体およびクレジットカード会社の今後の戦略に大きな影響を与えるのは必至です。
そして、結論を先にいってしまえば、国際ブランド・VISAの一強体制が崩れるという大きな変化をもたらすことになります。