愛知の企業は、なぜ強いのか? ~愛知商法からひもとく、 今必要とされるマーケティング

こんにちは!

売れる仕組み創造ラボ、所長の理央です。

2022年も始まりましたね。

今号の特集は、「愛知の企業は、なぜ強いのか?〜愛知商法からひもとく、今必要とされるマーケティング」です。

私の出身地の愛知は、トヨタをはじめとする自動車産業、製造業の街というイメージですよね。

その愛知ビジネスの特徴を、今号ではお話ししていきます。

それでは最後まで読んでくださいね。

■目次

… 1.第1特集:マーケティング・ラボ

「愛知企業は、なぜ強いのか?〜愛知商法からひもとく、今必要とされるマーケティング」

… 2.ビジネスコラム:おすすめビジネス書

「調べ方の教科書」

… 3.著作・イベントのお知らせ

… 4.編集後記

第1特集

【愛知企業は、なぜ強いのか?〜愛知商法からひもとく、今必要とされるマーケティング】

その相見積もり、いらないよ〜愛知ビジネスの特徴

私は、愛知で生まれ育ち、社会人5年目から16年間、東京と海外で仕事をしました。

その後、会社員として愛知に戻った時、ある違和感を感じたのです。

広告に使う印刷物を発注するときでした。

東京やアメリカで仕事をしてきた私にとって、複数の印刷会社さんに依頼して、「相見積もり」を取るのが商習慣でした。

そして相見積もりをお願いしようとすると、私の上司は、「今までお世話になっているから、A社さんに頼めばいいよ」と私に指示しました。

もちろん長くお付き合いのある、ビジネスパートナーさんは重要です。

また、私も質が同じなら、安い方を取る、と考えていたわけではありませんでした。

ただその時の私は、「会社にとって最適な選択は、広告の質とそれに関わるコスト、すなわち費用対効果だ」と感じたのです。

なので、上司に付き合いが長いので、あえて、相見積もりを取る必要がないよ、と言われたことに対して、「合理的ではないな」と違和感を感じたのでした。

一方で、愛知での商売では“一見さんお断り”、という雰囲気があるらしく「愛知で仕事はやりにくい」と、転勤の多いビジネスパーソンは言います。

確かに、私も東京と比べると、愛知では仲間意識が強く、結束が固い、というイメージがあります。

起業直後には、「愛知での商売はまず、紹介だね」と人脈を重視するといいよと、アドバイスをよくもらったものです。

先程の相見積もりの話と合わせて考えてみると、やはり愛知ビジネスは関係性を最優先する、というイメージになるのでしょうか。

ここで少し見方を変えてみると、「それだけ人間関係を大事にする」

と読み取ることができます。

もちろん、金額が安くなれば、その分利益にもなりますし、お互いに緊張感も高くなります。

しかし、愛知ビジネスの根底には、「長い信頼関係は、金額に変え難い」という信念があるのだ、と今更ながら感じます。

愛知でのビジネスは、「間口は狭いが、奥行きが広い」ことが特徴です。

なかなか心を開かないですが、いったん信頼してもらえると、懐を開いてくれて、長くビジネスをしてもらえます。

その後起業して、今の仕事についてからは、「愛知企業の強さは、どのあたりにあるのでしょう?」とよく聞かれます。

そのたびに、この事例を思い出します。

先日トヨタ自動車が、北米での売り上げ1位を達成した、と報道されていましたが、その一因は、強いサプライチェーンによる、半導体不足の克服にありました。

これこそが、ビジネスパートナーを重要視する、愛知企業がこれまで積み上げてきた資産なのです。

愛知ビジネス、イコール、“人と人”のビジネスなのです。

これからのビジネス、これからのマーケティング

ここ数年、幸福経営、ティール組織、といった、次世代経営や組織のマネジメントの形が、論じられています。

「社員が幸せだとビジネスがうまくいく」、「やる気のある社員は顧客も幸せにする」、といったことが言われています。

私も100%同感です。

企画マンとして30年以上仕事をしてきた私が、痛感しているのは、「いいアイディアはポジティブな姿勢、楽しい雰囲気から生まれる」ということです。

会社がつまらない、上司が嫌だ、と感じていると、残念ですがなかなかいい発想は、出てこないものです。

一方で、幸せなだけ、ポジティブな状況さえあれば、いい発想が出て、それが独自性のある製品開発につながったり、市場で売れる製品やサービスになるのか?ということも感じています。

やはりビジネスには、売上と利益がついて回ります。

また目標値も、決めていかなければなりません。

楽しいだけでは、ゆるい雰囲気が続き、ひいては仲良しクラブで終わることが大半です。

いいアイディアが頻繁に出て、それを具現化して、失敗を繰り返して、その失敗を非難することなく、そこから学び、修正を繰り返して、成果につなげていける、仕組みがあることで、初めて、ビジネスとしての果実がなる、と私は考えています。

雰囲気がいいことを「社風」と呼ぶとしたら、ポジティブで闊達な意見交換ができる仕組みがあることは、「社内文化」ですよね。

今の時代、あなたも気づいている通り、変化のスピードが従来の何倍かになっています。

また、変化の中身も予測ができません。

ITの発達によるDXの浸透、コロナ禍の継続による「新常態」が、すでにノーマルになってしまっています。

こんな中で、旧来の「顧客ニーズを探って、認知度を上げ、店頭で販促をして買ってもらう」とか、「飛び込み訪問やお願い営業で、関係性を強化して、契約を取る」というやり方が通用しなくなっています。

顧客に価値を提供するのがマーケティングですが、顧客が「自分にとっての価値は何か?」も、わかりづらくなっているので、リサーチをして顧客に聞いてもわからないのです。

このような状況の中で、企業としてはやるべきことは、「市場や、顧客の小さな変化を見逃さないこと」を出発点にすることです。

そのためには、営業や、マーケティング、製品開発や技術部、品質担当といった、組織上の役職に囚われることなく、社員1人1人が目を凝らし、「隠れた顧客のニーズは何か?」を探り出すことが必須です。

そして、次のステップとして、「顧客の新しいニーズに対して、うちの会社は何ができるのか?」を、これまた役職関係なく、全員で考え合うことで、新しい製品やサービスを開発することに、取り組むのです。

その時に、「私は営業だから関係ない」「品質担当なので売り方はわからない」と言っていてはもったいないですよね。

顧客を見つめること、社員同士がお互いを尊重すること、そして、SDGsのような社会課題の解決も含めて、地域にも貢献できることを、社員総出で考えていくのが、これからのマーケティングです。

すなわち、人間を見つめ大事にする、「社員起点のマーケティング」が必要なのです。

ヒューレット・パッカードの創業者が、「マーケティングはマーケティング部に任せるには、重要すぎる」と言いましたが、今まさにその時代に来ているのです。

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