こんにちは!
売れる仕組み創造ラボ、所長の理央です。
今号の特集は、「なぜ、あべのハルカス近鉄本店は婦人服売り場で食品や雑貨を売るのか?〜売り伸ばしにつながる発想のヒント」です。
低迷する百貨店の中で、どんな打手を打つべきか?について、あべのハルカス近鉄本店の事例で、考えていきます。
売り上げアップにつながる、発想の仕方について気づきを得てください。
■目次
… 1.今週の特集
「なぜ、あべのハルカス近鉄本店は婦人服売り場で食品や雑貨を売るのか?〜売り伸ばしにつながる発想のヒント」
… 2.ビジネスコラム
マーケティングで成果を出せる情報の気づき
… 3.著作・イベントのお知らせ
… 4.編集後記
第1特集
【なぜ、あべのハルカス近鉄本店は婦人服売り場で食品や雑貨を売るのか?〜売り伸ばしにつながる発想のヒント】
大阪のあべのハルカスにある近鉄百貨店の本店が、婦人服フロアを大幅に変えることで、ブランディングを刷新しようとしています。
百貨店としては珍しいのですが、本館の4階に116平方メートルの、「ファーレ・アナザークローゼット」、ウイング館5階に237平方メートルの、「いろどりマルシェ」の三つの新売り場を、婦人服フロアに開設したのです。
(繊研新聞より→ https://senken.co.jp/posts/journalist-eye-dept-apparel)
衣料品だけでなく、生活雑貨や食品を扱うフロアを2箇所作ったのです。
考えてみれば、デパートでのフロアは、高級ブランドのフロア、その上にキャリア系の婦人服、その上にはまたカジュアルな婦人服といった感じで、1フロアに婦人服、紳士服、子供服といった、大きなカテゴリーごとにフロアが分かれてますよね。
私もよくデパートに行くのですが、最近では食品を買う時はデパ地下で、食事に行くときは上のほうの階に行く、という感じで、食品も洋服も階を跨いで、同じ日にわざわざどちらも買いに行く、ということはそれほど多くはありません。
でもこの近鉄のように、1つのフロアに婦人服、食品や雑貨が売っていると、婦人服を買いに来た人が雑貨の場所に行ったり、食品目当ての人が婦人服を買いに立ち寄ったりと、フロアを回遊することも増えて、売り伸ばしにつながりますよね。
お客様の立場で考えてみると、あちこち見て回る楽しさも感じることだと思います。
ファストファッションのブランドが台頭したり、イオンやららぽーとなどの、大規模ショッピングモールができてきたりと、ここのところ百貨店という業態だけで、他の商業施設と差別化をすることが難しくなっています。
それに、若い顧客層を取り入れたい、という戦略もあいまってこのように、旧来の婦人服フロアで雑貨や食品も販売しよう、という取り組みになったのでしょう。
小売業では、お客様のその店への訪問頻度が、多ければ多いほど売り上げにつながりますし、その店での滞在時間が長ければ長いほど、よく売れます。
これはネットもリアルも同じです。
百貨店で売っているもので、一番頻度多く買いに来るものはやはり食品ですし、食品を買いに来た人が、1フロアに雑貨や服が置いてあれば、回遊性も上がるし、滞在時間も増えますよね。
お客様の立場からしても、色々な種類の商品を見る楽しさと便利さがあります。
顧客視点からしても、興味のある取り組みです。