落語は今日も生きている-COREDO落語会の名高座-
12、瀧川鯉昇「宿屋の富」2018.9.29 第15回COREDO落語会
この日が、瀧川鯉昇師匠のCOREDO落語会初登場。高座に上がり、丁寧にお辞儀をし、顔を上げて、何も言わずにしばし客席を見渡す。いつものことながら、初めて師匠の高座に接するお客様は、だんだん気を揉みだすのだが、つい笑いだす人につられて、客席の緊張が解けると、鯉昇がようやくしゃべり始める。この不思議な「間」が、鯉昇の持ち味で、我慢比べのように、長ければ長いほど面白い。
飄々とした語り口で、いつものマクラがはじまり、最近、よくネタにする「落語協会」と「落語芸術協会」の違いを、面白おかしく聞かせてくれた。一言で言って「落語協会」の落語は真剣に聴かないと面白くないのだが、「落語芸術協会」の落語は「あっ、終わった!」という感じで、疲れないのが信条なのだという。