こんにちは!
売れる仕組み創造ラボ、所長の理央です。
今号の特集は、「なぜ、デパートの男性服売り場で、苔を売るのか?〜売り伸ばしのための戦略思考トレーニング」です。
単なる思いつきのアイディアでは、売り伸ばしはできません。
市場の変化に気づき、チャンスを見つけ、戦略を立て、実施するプロセスについて、デパートの苔売り場の事例でから考えていきましょう。
それでは最後まで読んでください。
■目次
… 1.第1特集:マーケティング・ラボ
「なぜ、デパートの男性服売り場で、苔を売るのか?〜売り伸ばしのための戦略思考トレーニング」
… 2.ビジネスコラム:
「スノーピークの業績好調の背景」
… 3.著作・イベントのお知らせ
… 4.編集後記
第1特集
【なぜ、デパートの男性服売り場で、苔を売るのか?〜売り伸ばしのための戦略思考トレーニング】
ここのところ、百貨店がいろいろ工夫をしています。
まず面白いなと思ったの、銀座の松屋が紳士服フロアで、8月に植物の「苔」売り場を設けたこと。
カジュアル系の紳士服売り場をたたんだ後に、イベントスペースを作り、そこに、50種類以上の苔や、その関連商品が売られている、ということです。
これがなかなか面白くて、苔そのものに加えて、インテリアに映えるような、「コケ・テラリウム」というグッズも、販売されています。
おしゃれな瓶の中に、苔と合わせて、小さな岩や綺麗な砂が敷いてあり、その上に人形や動物の模型などが、うまく飾られています。
また、これらのパーツも販売されているので、自分でオリジナルの風景を作れる、というキットも売られているのです。
苔は、育てやすく、水やりは2週間に1度くらいと、メンテナンスの手間がかからないのが特徴です。
通常の観葉植物は、水やりや肥料のやり方が難しく、やりすぎると逆に枯れたり、小さな芽が出てきて、見た目もよくなくなったりと、意外と厄介です。
なので、苔のことがわからない初心者が、安心して育てられることもあって、初心者が参加できる、このテラリウムを実際に作ってみる、ワークショップなどもやっているそうです。
その意味では、体験型マーケティングの施策でもあります。
このコロナによってリモートワークが増え、出勤が減って、スーツの販売がへりました。
そこで、デパート側としても、スペースの活用を考えざるをえなかったのです。
また、顧客側も、リモートワークもあり、自宅にいる時間も増えます。
そうなると、何か部屋に癒しが欲しい、というニーズが出て、手っ取り早い植物の人気が出そうです。
その中でも手入れが簡単で、マンションなどでも育てやすい苔に目をつけた、ということです。