ポケモンGOに学ぶ再活性化のコンセプト
【ポケモン GOのブームは去ったのか?】
昨年7月に日本でもダウンロード可能になった、ポケモンGO。当時は社会現象と言われるくらいに、誰もかれもが、アプリをダウンロードし、町中で、公園で、そして道でもやっているのを見かけたものだった。
大きなブームというものは、過ぎ去るのもあっという間で、昨年末から、ついこの前まで、ほとんどニュースにもならない日々が続いていた。
ところが、先週くらいからまた町中で、スマホ片手にポケモンGOをやっている人たちを、よく見かけるようになってきた。
それもそのはず、新しいポケモンが80種以上も追加され、捕まえられるようになったのだ。
今回の変更では、新ポケモン追加に加えて、新しく入手できるアイテムも増えたし、捕まえたポケモンの性別もわかるようになった。
その少し前には、イベントと称し、ピンク色系のポケモンが多く出現したり、捕まえた時にもらえる「アメ」の数が増えたりする、期間限定のプロモーションも行っている。
【既存客に新しい価値を提供するということ】
これらは全て、ポケモンGOのアプリを、すでにダウンロードしている人に対してのプロモーションだ。
つまり、新規顧客を獲得するためではなく、既存顧客に、新しい価値を提供することで、プラットフォーム上で、顧客がプレイしてもらえるよう、再活性化しているのである。
既存顧客はすでに自社のことを知っているため、彼らによる再購入は、新規顧客の獲得を促すよりも、マーケティング的な努力が少なくて済む。
もちろん、既存の顧客を大事にすることが、重要なことは言うまでもないが、新規ユーザーの獲得よりも、既存ユーザーへの考慮を、ポケモンGOは、踏まえていると言えそうだ。
【中小企業はポケモンGOから何を学ぶべきか?】
マーケティングのコンサルティングをやっていると、「新規顧客を獲得したいんですが、、、」という相談を受けることが多い。
企業が持続的に成長するために、新規顧客の獲得は必要だが、まずは、自社のプロダクトを買ってくださる、「既存顧客」に、「既存製品」を、もう一度買ってもらうことを見直すべきだ。
いわゆるリピートだ。
次に、既存顧客に「新製品」を買ってもらうこと。なぜなら、既存顧客はすでに自社のことを知っているので、彼らに教える必要があるのは、その新商品のことだけですむ。
リピート購入を促すには、2種類のやり方がある。既存製品の上位版を買ってもらうアップセルと、既存製品と同系統を買ってもらうクロスセルだ。
ファストフードを例にとると、「ハンバーガーください」と買いに来たお客様に、「新発売のチーズバーガーはいかがですか?」と、オススメするのが前者で、「一緒にジュースとポテトもいかがですか?」と、オススメするのが後者だ。
ポケモンGOが、既存客に新しいサービスを導入したことで、自社のプラットフォーム上での、顧客のインターアクションが活発になり、ひいては、課金アイテムも購入され、売り上げ増につながるであろうことが予測される。
事業のミッションは「顧客の創造」にある。
顧客とは、自社製品を継続的に購入してくれる、重要な人たちを指す。彼らこそが、企業の持続的成長を支えてくれるのだ。
■目次
… 1. 特集 「ポケモンGOに学ぶ再活性化のコンセプト」
… 2. コラム 「時間ではなくタスクを管理する」
… 3. 書評 「なんでも英語で言えちゃう本」
… 4. ワンポイント時間術「2―6―2の法則でしかチームでの結果を出せない!」
… 5. 著書・イベントのお知らせ
… 6. 編集後記