LINEをビジネスで活用するために必要な考え方:ダイレクトマーケティングとメディア・ニュートラル
メディア・ニュートラル=Media Neutral という考え方がある。メディアは多種多様で選択肢が多いため、プロダクトとターゲット戦略を明確にしたうえで、中立の立場で最適なメディアを選び、投資対効果をあげよう、という考え方である。
【LINEをビジネスに活かすために必要なこと】
経営講座での Q&Aセッションで、「飲食店をしています。最近、『若者に人気の「LINE」をビジネスに生かせ!』というようなことがよく書かれていますが、LINEは、どんなふうにビジネスに生かせるのでしょうか? 」
という質問をいただくことが多い。その後に、「単なるコミュニケーションツールにしか思えませんが・・・機能とか、サービスも良く分かってないので、分かりやすい言葉で教えて下さい」という質問もいただいた。
LINEのビジネス活用は、顧客に対する告知、すなわちメルマガやDMのように使うのが一つ。中小企業や個人事業主では、LINE@のサービスを活用するといい。
この場合に、気をつけたいのが先ほどのメディア・ニュートラルの考え方になる。LINEも一つのメディアなので、お店のお客様がLINEをやっている層であれば効果があるが、もしLINEに縁遠いターゲット層を狙うのであれば、言うまでもなく、時間やお金という貴重な経営資源の浪費になってしまう。
【LINEの活用事例 名古屋のシェアオフィス タスクール】
効果的にLINEをビジネスに使っている例として、名古屋市にあるタスクールというシェアオフィスがある。
LINE@というサービスを使って、会員や登録者の方々にセミナー情報など有益な情報を、メルマガのように使い、集客などの告知に活用している。
シェアオフィスは、場所を持っている人なら誰でもできるので、参入障壁=エントリーバリアが非常に低いといえる。
タスクールは、自主開催での勉強会や朝活などをしたいという、向学心のある起業家をターゲットにしているため、戦略にも戦術にもLINEはぴったりだと言える。
具体的には、
1. マーケティングの勉強会に参加
2. タスクールに登録
3. LINE@に登録
4. 以降、月数回のペースで勉強会やセミナーなどのイベント情報が届く
という立て付けになる。会員にとっては、自分自身の向上や、人脈の構築などに有益な情報が届くため、脱会も減り、また友人にも共有したくなる。
LINEをダイレクトマーケティングに活用するには、一度登録をしてもらう必要がある。したがってリピーターの継続購入を促進するツールに活用できる。
飲食店なら登録してもらうために、初回のみのドリンク無料券などサービスしてまずは登録してもらう工夫をする。
以降は、日替わりメニューや季節メニューのご案内をして、「一度来た方にもう一度来店してもらえる工夫」をする、といった具合になる。
やはり一度来店してくれたお客様は自社の良さをよく知っているので、新しい価値があることを教えてあげれば再度来店する気になるのだ。
このように、直接的にターゲットに訴求し、反応を促す手法を、「ダイレクト・レスポンス・マーケティング」という。
実施の際に、注意すべき点は、「顧客に有益な情報を提供する」ことである。
売り込みだけだと、人の気持ちは引いてしまう。世の中の99%の商品は、顧客にとって不要なのだ、というくらいの姿勢で、「売るのではなく、有益な情報」を提供すると、長く愛される店舗や企業になることができる。
ドラッカーが言う通り、「事業の目的な顧客の創造」である。
常連さん、おなじみさんになってもらうためには、「顧客ファースト」の思考で、発信をすべきなのだ。
■目次
… 1. 特集 「ダイレクトマーケティングとメディア・ニュートラル」
… 2. コラム「立花岳志氏に学ぶ愛されるブログの書き方」
… 3. 書評「すぐやる人の出会う技術」
… 4. ワンポイント 時間術「その2時間はいくらで売れるのかを考えろ」
… 5. 編集後記