こんにちは!
売れる仕組み創造ラボ、所長の理央です。
今号の特集は、「新規事業はバリューチェーンの見直しから〜銀だこのホットランドに学ぶ失敗しない立ち上げの視点」です。
ひとことに「新規事業立ち上げ」といっても、なかなか難しいよね、というのが本音だと思います。
さまざまな方法がある中、銀だこの事例から、成功確率を高める手法を考えていきます。
■目次
… 1.今週の特集
「新規事業はバリューチェーンの見直しから〜銀だこのホットランドに学ぶ失敗しない立ち上げの視点」
… 2.ビジネスコラム:おすすめビジネス書
「世界のニュースを日本人は知らない」
… 3.著作・イベントのお知らせ
… 4.編集後記
第1特集
【新規事業はバリューチェーンの見直しから〜銀だこのホットランドに学ぶ失敗しない立ち上げの視点】
ファストフードの会社が運営する、築地銀だこは、1号店を出してから、今年で25年とのことです。
銀だこは、路面店だけでなく、ショッピングモールのフードコートにも入っていますよね。
私も実はたこ焼きが好きで、ランチを食べる時なんかは、つい、一品たこ焼きを買い足してしまいます。
銀だこのたこ焼きはもちろん、定番のものも美味しいのですが、チーズ明太や、ネギたこ焼きなんかもあるし、季節限定の物も売っているので、いつ行っても食べたくなります。
ホットランドでは、銀だこを中心に飲食業のビジネスをやってきて、右肩上がりの成長をしてきました。
ところがコロナ禍もあって、外食産業がダメージを受けた時に、「たこ焼き岳の一本足打法ではだめだ」と、多角化を推進することを決めたそうです。
銀だこでは、ロードサイド店舗を増やしたり、テイクアウトを充実させていますし、また、冷凍を拡充させて、海外への進出も狙っています。
中でも興味深いのが「タコの養殖」を手がけている点です。
日経MJによると、2013年から養殖を手がけ始め、2015年に熊本の上天草水産研究所を、始動させたとのことです。
たこは1匹が10万~20万個の卵を産むため、養殖に適しているそうですが、一方で、その生態があまりわかっていなくて、安定した養殖をするのに苦労したそうです。
事業として成り立たせるためには、まだ課題も多いそうですが、かなり目処も立ってきた、と報道されています。
この養殖がうまくいけば、たこ焼きの原材料として安定して供給ができることになり、コスト面でも話題性でも、インパクトが大きいですよね。
ホットランドの多角化を見ていると、自社のメイン事業になる「たこ焼き」から、大きく外れることなく展開をしようとしています。
どうしても売り上げが落ちてくると、「新しいことをやろう」、「多角化だ!」となって、流行りのことや、今売れていることに、手を出すこともよくあります。
その時に考えなければならないのが、自社の核になる事業との“相乗効果”です。
新規事業をやると、会社全体にいい効果を生み出す、となるのが理想的です。
その時に考えるべきことは、まずこれまでのバリューチェーンを見直すこと。
バリューチェーンとは、自社プロダクトの生産や仕入れから始まって、生産、加工、そして顧客へのコミュニケーションを経て、流通を通り、顧客の手に渡るまでの、一連の流れを指します。
ポイントは、この一連の流れの中で、「各工程でどんな付加価値を付け加えられるか」を、考える点です。
供給網としてのサプライチェーンとは、その点が違うので注意しましょう。