あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いいたします。
売れる仕組み創造ラボ、所長の理央です。
今号の特集は、「ユニリーバはなぜ打ち手が当たるのか?〜IT・DXを駆使するデジタルマーケティングを、組織として成功させるステップ」です。
「IT、DXが重要なのはよくわかる」「でも、何をすべきかわからない」とか、「デジタルマーケティングをやっているけれど、今ひとつうまくいかない」という相談をよくいただきます。
手法から取り入れるのではなく、そもそもなぜその打ち手をやるのか、を考えたいところです。
今号ではユニリーバの事例から、ITマーケティングで成果を出すには、なにを、どんなステップでやるのか、について、考えていきましょう。
■目次
… 1.今週の特集
「ユニリーバはなぜ打ち手が当たるのか?〜IT・DXを駆使するデジタルマーケティングを、組織として成功させるステップ」
… 2.ビジネスコラム
マーケティングで成果を出せる情報の気づき
… 3.著作・イベントのお知らせ
… 4.編集後記
第1特集
【ユニリーバはなぜ打ち手が当たるのか?〜IT・DXを駆使するデジタルマーケティングを、組織として成功させるステップ】
ラックスやダブで有名な消費財メーカーのユニリーバが、持続可能で、さらに健康にフォーカスした、製品ラインアップに注力をしています。
ユニリーバは巨大な多国籍企業です。
日経新聞によると、ユニリーバの2021年の売上高は520億ドル以上。
世界の人口のほぼ半数が、同社の製品を毎日使っている、という規模です。
そんな中でユニリーバは、事業目標として、2025年までに全てのパッケージを、リサイクルや再利用、堆肥化可能にするとか、2030年までに、CO2排出量実質ゼロを達成し、さらに、全ての原料を生分解性にする、といった具体的な目標を掲げています。
このSDGs志向に加えて、販売方法をこれまでよりもさらにデジタル化していこう、ネットとリアルでの販売を、融合させようと取り組んでいます。
持続可能、環境重視は今世の中で、とても感心を引くことがらですよね。
そこに、デジタルでの手法やITを、自社の販売方法にも積極的に取り入れる姿勢が見られます。
巨大で歴史のある企業の場合、新しいことを取り入れて実施するのに、組織内の抵抗があったり、時間がかかったりするものですが、市場の変化をとらえて、すぐに手を打つという企業文化が見て取れます。
ユニリーバの場合は、デジタルを多用して、健康関連アプリを作って製品と一緒に販売したり、SNSで人気のあるインフルエンサーを起用して、インターネットでの販売促進も展開するなど、積極的にIT活用をしています。
これからも、D2C=ダイレクトトゥーコンシューマーと呼ばれる、ユーザーに直接販売することの比率が高くなります。
今のうちからお客様との関係性を構築するために、ネット上での場所を作ったりしているのでしょう。
近い将来にはユニリーバは、ユーザーが新製品を探したり、買ったりクチコミをしたりする、「ソーシャルコマース」と呼ばれる売り方を目指しているのでしょう。
いうまでもなく、ブランドがコミュニティをつくることは、ロイヤルユーザーを増やすことになるので、とても理にかなった戦略と言えます。
ユニリーバは元々、ブランド構築が得意なことに加えて、バリューチェーンと呼ばれる、製品を開発して、流通にのせ、販売店から消費者に渡る、“一連の流れ”の中でどう売るか、を考え実施するのが得意な企業です。
今回もバリューチェーンを見直して、ユーザーと関係性を構築するには、どこにどんなデジタルのテクノロジーを入れればいいのか、という顧客視点で考えているように見て取れます。
ITはあくまで手段であって、目的はお客様価値を生み出すことです。
どうしても、周りがITを取り入れると、「うちの会社もやらなければ!」と、ITを取り入れることをメインに考えてしまいがちです。
しかし、ITやDXは手段であって目的ではありません。
ユニリーバの取り組みを見ていると、商売の基本であるお客様視点が大事だ、というミッションの元に、アクションをとっています。
この姿勢でいることは、簡単なようで、企業としてキープしていくのは、非常に難しいのです。
ユニリーバのようになるためにまずやるべきは、MVVと呼ばれる、ミッション、ビジョン、バリューを掲げること。
しかし、それだけでは十分ではありません。