スターバックスのオフィスコーヒーに学ぶ ビジネスモデルの創り方=理央周

スターバックスのオフィスコーヒー参入に学ぶビジネスモデルの創り方

私はコーヒーが好きで、毎日、数杯は飲んでいます。

自宅やオフィスで飲むときは、珈琲豆をミルで挽いて、淹れて飲む、という感じで、結構凝っています。カフェに行くことも好きで、週5、6回はカフェでコーヒーを飲みます。

今朝の新聞を見たら、私のお気に入りのスターバックスが、オフィス向けにコーヒーサービスを開始するとのこと。早速、今日の特集で書こう!と決めました。あなたもコーヒーは好きですか?リラックスして読んでくださいね。

スターバックスのオフィスコーヒー参入

スターバックスといえば、濃いめのコーヒーを提供するシアトルコーヒーの先駆けで、今も人気のカフェ展開をしています。

スターバックスの事業コンセプトは、有名な「サードプレイス」。いわゆる、第1の場所の自宅、第2の場所の会社や学校、に続く、第3の場所で、コーヒーを飲みまた、ライフスタイルを共有することを掲げてきました。

今回は、第2の場所であるオフィスを中心に「マシン」を設置し、スターバックスのコーヒーが抽出できる、というもので、店舗同様の質の高いコーヒーを提供するということです。

なぜ今、オフィスコーヒー参入なのか?

今、このタイミングでオフィスコーヒーに参入するのは、何故なのでしょうか?

仕事中にコーヒーを飲むという人が相変わらず多いことと、日本市場に参入し、20年余りが経ち、ブランドが浸透し、さらに確立されてきたことを生かし、「勝算がある」と踏んだのでしょう。経営陣は「既存の(店舗展開による)成長のポテンシャルはまだまだある」と述べる一方で、「これまで店舗として出られなかった小規模商圏に入っていける」とも言っています。(東洋経済オンラインの記事より)

マーケティングの基本は、美味しい市場、すなわち、攻めるに足る市場を探し出すこと。ここまでは、店舗に来る人、または、スティックコーヒーや豆を買い、自宅や会社で飲む人たちをターゲットとしてきました。

オフィス用に関してはこれまで、店舗からのポットサービスなどの、デリバリーでしか対応していませんでしたが、新たにマシンの提供によって、オフィスコーヒー市場への参入を果たす、というわけです。

オフィスコーヒーのビジネスモデル

このようなオフィスでの「無人販売」に関して、まず一番に思い浮かぶのが「100円グリコ」。グリコのお菓子が並んでいる什器が、オフィスに置いてあり、各自で100円を入れて、好きなお菓子をとる、というアレです。

グリコとしては、什器を置き、商品を補充すれば、あとは自動販売機のように、勝手に売上が上がることになります。

スターバックスと同じコーヒーでは、ネスカフェのアンバサダーモデルがそうで、マシンがあれば、あとはレフィルが回転し、収益が上がり続ける、というものです。

このように、一つの商品を売り切る、というわけでなく、継続的に購入してもらう仕組みのことを、レーザーブレード(またはジレット)モデル、と言います。

髭剃りは、ホルダーを買うと、あとは替え刃を買い続けることになります。ここからのネーミングですが、プリンターとインク、電子書籍リーダーと電子書籍などと同じ考え方ですよね。

スターバックスは、このオフィスコーヒーのマシン設置を一度設置できれば、あとは、コーヒーを提供し続けることで、持続的に買ってもらえる、ということになります。

マーケティング的な労力としては、広告などを打つ必要もなく、また、1回目以降は契約を取るための営業も不要、という仕組みになっているのです。

レーザーブレードモデルに何を学ぶか

では、中小企業は、この事例から、何を学べば良いでしょうか?

まず学びたいのは、「売り切り」ではなく、持続的なサービスや製品を提供することです。

毎回売るための努力をしたり、来店促進や集客をするのは大変です。

一度買ってもらったら、長く継続購入してもらえるような、「仕組み」を構築することが重要です。

私のお客様で医薬品の卸をしている会社があります。こちらでは、処方箋の薬を買いに行く、調剤薬局さんに、什器を設置し、そこで、処方箋薬を待っている人たちのために、基礎化粧品や温泉の素などを置き、買ってもらっています。もちろん、商品を補充したり、POPを掲載するのは、この会社の営業です。

調剤薬局は薬剤師さんが忙しく働かれています。薬局さんにとって、手間や人の労力をかけることなく、商品説明もPOPがしてくれますし、補充も、売れる筋商品を営業の方が教えてくれるため、自動販売機を置いているよりも、自然に売上が上がることになります。

このようなビジネスモデルの発想は、「どう売ればいいのか?」と考えては出てきません。

自社の顧客が何を困っているのか?を把握し、その解決に自社ができることは何か?という、顧客視点でいなければ、売れ続ける仕組みはできないのです。

売り込むのではなく、「売れる」ようにする姿勢が重要です。あなたも、ぜひ明日の仕事に、このような意識で臨んでみてください。



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