ほっともっとは、なぜ値引きキャンペーンをするのか? ~次につなげる値決め

こんにちは!

売れる仕組み創造ラボ、所長の理央です。

今号の特集は、「ほっともっとは、なぜ値引きキャンペーンをするのか?〜次につなげる値決め」です。

それでは最後まで読んでくださいね。

■目次

… 1.今週の特集

「ほっともっとは、なぜ値引きキャンペーンをするのか?〜次につなげる値決め」

… 2.ビジネスコラム:おすすめビジネス書

「トップも知らない星野リゾートフラットな組織文化で社員が勝手に動き出す」

… 3.著作・イベントのお知らせ

… 4.編集後記

第1特集

【ほっともっとは、なぜ値引きキャンペーンをするのか?〜次につなげる値決め】

持ち帰り弁当の、ほっともっとが、「から揚弁当」や「ロースかつ丼」など、6つの商品を、最大100円引きの、特別価格で購入できるキャンペーンを、2月18日から27日まで、“10日間限定”で実施している。

ホームページによると、対象は6商品で、「から揚弁当」は390円が340円、「特から揚弁当」は490円が440円、「チキンバスケット」は590円が540円、「ロースかつ丼」は490円が390円、「ロースカツカレー」は590円が490円、「から揚カレー」は590円が490円、ということだ。

このラインアップをみると、サイトにある通りの、「人気の看板メニュー」ばかり。

なぜこの時期に、あえて値下げをしてきたのか?

単純に「値引き」「値下げ」をすると、ブランドの見た目の価値が損なわれるし、なにより営業利益も下がる。

安くすれば単純に多く売れる、というものでもない。

そこで今回は、このほっともっとの値下げを事例に、価格設定について考えてみたい。

今回の値下げの背景には、長引く新常態の中、特に巣ごもりでの「宅内での食事」が増え、それによって競争の激化したことがあげられるだろう。

そこに、持ち帰り弁当の業界内のオリジン弁当や、ほっかほか亭との競争に加えて、成城石井や紀伊國屋など、オリジナルでちょっと高めの弁当も人気だ。

さらにコンビニも弁当を充実させてきているし、いうまでもなく、ウーバーイーツや出前館などの、デリバリーも今では一般的だ。

さらに、家で食事をするということは、出来合いを買うというだけではなく、料理をする、という人も増えている。

ほっともっとの顧客の立場からすると、必ずしも「弁当を買う」と決めているのではなく、「家で食事をする」から「どこにしようか」と迷っている人たちなのだ。

このような人たちを数多くの事業者が、“これまでとは違う”やり方で、「取り合っている」という構図になってきている。

いつの時代もライバルは常識の外から来る。

特にここ数年はその傾向が顕著だ。

そんな中で、ほっともっとは期間限定で、看板商品を値下げしてきた。

それも、ざっくりと10〜20%やすく販売する、という、期間限定とはいえ大きな値下げだ。

このような状況での期間限定の値下げ、ということになる。

一般的に、業界内の競争が激しくなり、さらに新規参入も増え、新しいビジネスモデルの企業も参入してくる、という場合に、価格を変更することは少なくない。

多くの場合は、限定の期間中に売り上げを稼ぎたい、という販売促進の意図ではなく、価格を50円から100円下げることによって、どれくらいの動きがあるのか、「価格弾力性」があるか、ということを見てみたい、と考えることが多い。

いわゆる“テストマーケティング”だ。

先程書いたように、値下げはブランド価値を、棄損しかねない。

しかし「期間限定」とうたっておけば、一時的なものだと認識される。

さらに、値下げした分のマージンの減少は、テストマーケティングの結果を生かす、という意味での投資と捉えることができる。

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