売れ行き好調アスクル「ロハコ」はなぜメーカーから引っ張りだこなのか?=理央周

いつも、このメルマガを読んでくれて、ありがとうございます。

今月から、このメルマガも大きくリニューアル、パワーアップしてお届けしたいと思っています。

今号から特集を刷新して、今、旬の話題を中心に、競争力のある売り物を作るにはどうすればいいのか?新しいビジネスモデルは?市場のトレンドは何か?を、お伝えしていきます。

また、私が読んだ数あるビジネス書の中で、マーケターの視点で、推薦する本を、このメルマガで紹介していきます。

できるビジネス・パーソンは、常に自分に必要な「情報」を求めています。それは、仕事だったり、また、人生だったり、もちろん両方だったりするわけです。

学びや気づきを得るために、セミナーに行ったり、ネットで調べたり、学校に行ったり、資格を取ったり。もちろん、友達と飲みに行く時にも、自分にとって大事な気づきを得られることもあります。

そんな、数多くの情報源の中で、本は、気づきを得られ、モチベーションも上がり、さらにコスパがいい、やる気のあるビジネス・パーソンにとって、とても貴重な情報源だと思っています。

気をつけるとすれば、数ある書籍の中で、何を選び読むのか、ということ。ベストセラー、定番書などなど、読みたい本は山のようにあります。

そんな中で、あなたの視点だけで選んでいると、あなたの好きな本に偏ってしまいます。気がついたら、無意識のうちに、毎日のランチがカレーになっているのと似ていますよね。

ということは、あなたが自分だけで選んでいると、自分に必要だけれども、興味がない、好きではない種類の本は、選べない、ということになりがちです。

このメルマガの「オススメのビジネス書」のコラムでは、ビジネスに、また、プレイベートに役立つ本を、私の視点で紹介していきますので、あなたが気づかなかったけれど、必要そうだな、という本を見つけてもらえればいいな、と思っています。

さらに、月2回の定期発刊の号に加えて、不定期ではありますが、「号外」も発行する予定です。内容は、街で発見した、ちょっとした売れるヒントや、面白いキャンペーンなど、マーケターの視点で、使える情報を発信する予定です。

あなたのビジネスに役立ててくださいね。

アスクルがYahooと組んで運営している、個人向けネット通販のブランド、「ロハコ」が元気だ。

ロハコは、サイトの名称だが、食品や、日曜消費財のメーカーが、そのナショナルブランドを、「ロハコ」オリジナルのデザインでのOEMで出す商品の、販売数が伸びているため、各メーカーも、次々に商品を投入しているとのこと。



メーカーがロハコに群がる理由

なぜ、メーカーはロハコに商品を投入したがるのか?まずは、前述の通り「売れる」から。競争が激しい、日用消費財の、さらに競争が激しいEコマースの世界で、なぜ売れ続けているのだろうか?

2018年3月2日の日経MJの記事にある、花王の消臭剤「リセッシュ除菌EX」の事例で、考えてみる。

以下、記事より抜粋:

1. 製品自体は、どこのスーパーにもある定番商品

2. 価格も20円ほど高い

3. 菌・ニオイを元から撃退 という謳い文句がない

4. リセッシュという商品名も小さい

5. 全体はグレーを基調とする落ち着いた色使い

もう一例、花王の「ビオレu 泡ハンドソープ」も、同様のデザインだが、通常より70円高い価格で、販売されているとのこと。

Eコマースでは、どうしても価格勝負になるところを、ロハコでは、デザインの質を中心に、高めの設定でも支持を得ている、ということが言える。ネット販売をする者にとって、価格競争は悩みの種なのだが、ロハコでは逆に、高めに売っているのだ。

価格ではないデザイン性で勝負できている理由として、記事に書かれているのが実際のユーザーの声。「お気に入りのものなら20円高くても気にならない」ということだ。

ロハコはターゲットを、「同じ商品なら1円でも安い方がいい」という価格コンシャスな人ではなく、「気に入ったものなら少しくらい高くてもいいから欲しい」という価値観を持った人に設定しているのだろう。功を奏していると言える。

メーカーの立場から考えると、ナショナルブランドとして、リアル店舗やネットで販売すると、価格競争になりがちなところ、販売数も稼いでくれ、さらに若干高く売る(値崩れをしない)ロハコに魅力を感じるのであろう。

もう1点、新商品のテストマーケティングができる、という点がメーカーにとっては魅力的だとのこと。

記事には、ミツカンの「ゆず風味ポン酢」の事例が、紹介されているが、私も経験したことがあるのだが、画期的な商品だと、そのぶん上司の抵抗が予想される。特に、全国展開に踏み切ることは難しい。

Eコマースであれば、効果測定もできる上、ロハコのように、自社ブランドが前面に出ないケースでは、想定されるリスクも低いため、リアル店舗と比較すると、テストマーケティングに向いていると言える。

このように、ロハコは、ユーザーも、ロハコも、製品を供給するメーカーにとっても、有益な売りの場、すなわち、三方よし、と言える。

私たちはロハコから何を学ぶべきか

記事の新規購入は2023/03をもって終了しました