消えた駅弁16「特製幕の内 北海道旅弁当/札幌駅」

 山吹色のふたが売り場でもひときわ目立っていた。

 上に描かれているのは北海道の地図とJR路線図。「スーパーおおぞら」や「スーパー北斗」「特急オホーツク」など北海道を代表する特急の写真が散りばめられて、なんだかひと昔前の駅弁を思い起こさせた。

 ふたの左下に「客室乗務員オリジナル企画商品」とあるが、これは2013年頃までのデザイン。その後は山吹色が白くなり、「客室乗務員~」も消えて、おかずなどの内容も変わり、2018年頃まで販売されていたが、すっかり見なくなった。

 北海道の名物料理や食材を集めた幕の内駅弁。ホタテのゼリー寄せや鮭の昆布巻き、松前漬け、イカの磯辺揚げ、道産牛のすき焼き、鮭の塩焼き、揚げ餅、カマボコや卵焼きなどなどバリエーションに富んだおかずが季節によって色々詰められていた。

「旅弁当」なので、どんなおかずもOK。あれ?この前なかった豆腐が入ってる! なんてことも。

 俵型に抜かれたごはんに振られた黒ゴマ、焼き魚・カマボコ・卵焼きの3点セットが必ず入っているところは正しい幕の内。それにしても何と酒が欲しくなるラインナップのことか!

「The 北海道」とも言える駅弁。調製元に電話したら「今のところ復刻予定はありません」とのこと。寂しいべさ。

 

1000円(当時)/札幌駅立売商会