
※日刊メールマガジン『ビジネス発想源』の4300回を超える膨大なバックナンバーの中から、読者の方々に人気の高かった回を再編集し、無料公開します。期間限定での公開ですので、気になる記事は保存して後ほど読み返してみて下さい。
【第614回】 テーブルの上のアンケート (2006年7月12日配信)
------------------------------------------------------------------
テーブルにアンケート用紙が用意されている飲食店があります。
お客様の反応を見るためにアンケートをする、ということについては、とてもよいことだと個人的には思うのですが、その大半が「こんなので本当にお客様の心が読めるのかな?」と思うようなアンケートだったりします。
まずいつも疑問に思うことは、なぜ5段階評価で聞きたがるお店が多いのか、ということです。例えば、
【Q1】当店の接客はどのように思われましたか?
5.とても良い
4.良い
3.普通
2.悪い
1.とても悪い
【Q2】当店のメニューの、味はいかがでしたか?
5.とても良い
4.どちらかというと良い
3.普通
2.どちらかというと悪い
1.とても悪い
といった具合のアンケートです。
「本気で聞く気があるのか?」と思うようなアンケート。
これを、回答者全員のアンケートの平均値を取って「接客は、平均で3.8点でした」なんていうような集計をしているのではないでしょうか。
平均が3.8点だったというデータで、何が分かるのでしょう。
こういった集計をするときには、「とりあえず、5点の"とても良い"を選んだ」という人と、「5点どころか、私には50点ぐらい上げたいぐらいです!!」という人が同じ点数(5点)になってしまいます。
「いつもはいいけど今回だけはあまりよくなかったから、ちょっと厳しめに最低点の1点をつけさせてもらうわ」という人と、「ったくこんな店、二度と来るかボケーー!」という人と、これまた同じ点数(1点)になるのです。
お客様がどれだけ感動しているか、お客様がどれだけ不満に思っているか、ということが数値化できると思っている経営者は、ちょっとどこか感性がおかしいのです。
またお客様も、5段階評価でしか書けないアンケートに、そう積極的に書いてくれるとも思えません。
あなただったら、テーブルの上に、どのようなアンケート用紙が置いてあれば、「書いてあげようかな」と思うでしょうか?
【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)-----------------
・飲食店のテーブルの上などに載っているアンケートで、どのような形であればみんな喜んでアンケートを記入してくれるかを考えてみる。
・自社だったらどのようなアンケートが理想かを考えて、そのアイデアをノートに書く。
▼『ビジネス発想源』は10万人以上の経営者・マーケティング担当者が愛読する、日刊メールマガジンです。2003年に連載を開始し連載回数は4300回以上。「まぐまぐ大賞2015」でビジネスキャリア部門第1位、「まぐまぐ大賞2014」では総合大賞を受賞しています。毎日メールボックスに届く経営やマーケティングの発想源の数々、無料で購読できますのでぜひご登録下さい。『ビジネス発想源』の無料登録はこちらから。
▼「ビジネス発想源 Select」の記事を、無料公開期間を過ぎて読み損ねることのないよう、『ビジネス発想源 GOLD』の著者フォロー(+Follow)をしておくことをお薦めします!