[ビジネス発想源 Select] 第1879回:大吉思考

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【第1879回】大吉思考 (2009年12月28日配信)

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「ポジティブ思考」がいいですよ。

という話は、いろいろな本を読んでも書いていますし、いろいろな人が番組や講演会などで語っています。

私も当然、それは真理だと信じています。



ところが、ポジティブ思考の話をすると必ずと言っていいほど、

「ポジティブ思考が良いのは分かっていますが、落ち込んでいる時にどれぐらいポジティブになればいいか、そのポジティブ度合いが分からないんですよ」

「ポジティブ思考になれと言われてもそんなにすぐにはポジティブ思考になんかなれませんよ」

などとすぐネガティブなことを言う人がいます。



確かに、ポジティブ思考といっても様々なレベルがあって、どういう状態が最適のポジティブ思考なのか、というのが分からなければ、取り入れようもありません。

「ポジティブ思考になれって言ったって、じゃあ、両親が死んで悲しんでいる時に、両親が死んで良かったー、って思えばいいと言うんですか!」

などとワケの分からない理屈で反論してくる人もたまにいますが、ポジティブ思考の意味が分かっていないのです。

ポジティブ思考というのは何も、ネガティブなことを「よかった」と思うことではありません。



そう簡単にポジティブ思考が分からないという人は、「おみくじ好きの女性」を思い浮かべるといいと思います。

おみくじで「大凶」が出たとします。

「ここで大凶が出たということは、ここで悪い運を使ったので、これからは良い運ばかりということだな」

「大凶が出たということは、自分にとって試練になるから、不幸なことが起こっても喜ぶべきなんだな」

といった意識の転換ができることがポジティブ思考である、というわけではありません。



おばちゃんでも若い女性でも、「おみくじ好きの女性」というのがよくいます。

おみくじを引いて運勢を見るのが好きなのではなく、単純におみくじを引くことだけが好き、という人です。

そういう女性を見ると、よく分かります。

もし「大凶」を引いたとしたら、「大凶やったわ。じゃあ次は何かな」と、また引くんです。

「大凶の次は中吉って。少し上がった」と、また引きます。

「中吉の次は小吉か。ちょっと下がった」と、また引きます。

「やっと大吉が出たわ! じゃあ、この辺で」と、「大吉」を引いたのを確認して満足してやめるのです。



つまり、もう彼女にとっておみくじは運勢を見るものではなく、「大吉を引くまで引き続けるもの」なのです。

「大吉から大凶までしかないから、大吉はいつか当たる」と分かっているから、「大吉」を出すまで引き続けます。

これが、ポジティブ思考のヒントだったりします。

なぜなら、「大吉はいつか当たる」と考えていること自体がもう大きなポジティブ思考だからです。

「とは言っても、ずっと当たらなかったらどうしよう」というのがネガティブ思考だから、「引いてるうちに当たる」というのは思いっきりポジティブです。



「成功とは、成功するまで失敗し続けることである」などとよく言いますが、要は「成功するまでやり続ける」というのが物事を成すための一番大きな秘訣です。

ポジティブ思考というのは、「無理やりポジティブになれ」ということではなく、「ネガティブにならない」という連鎖なのです。

「失敗したなー」と思ったら、その失敗を落ち込むのではなく、「じゃあ次は失敗するかな?」と次の挑戦を始める。

失敗が連続していっても、その都度落ち込むのではなく、「さて、何回目の失敗の後に成功しますかな?」と、失敗の回数まで楽しんでいるのが、ポジティブ思考です。



おみくじ好きの女性と同じように、「大吉」を引くまで引き続けるという行動が強いのです。

もし「大吉」が出なかったとしたら、この女性は、「ここの神社のおみくじは全然大吉が出ないやないの。もう次からは、向こうの神社のおみくじを引こっと」と、さっさと切り上げてしまいます。

「なぜ大吉が出ないんだ…」などと落ち込んだりしません。

「ここは大吉が出ないけど、あっちの神社は出る」と勝手に結論付けて、平常心なのです。



ポジティブ思考とは、そういうおみくじ大好き女性たちの「大吉思考」のようなものだと分かりやすいでしょう。

どんな失敗をしても、「次こそは」という挑戦心を持つ。

「次こそ大吉」の心構えを持つということです。



【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)-----------------

・「ポジティブ思考」の定義を、ノートにまとめる。

・「ネガティブ思考」の定義を、ノートにまとめる。

・社内で「ネガティブ思考」を減らすための企画を考えて企画書風にノートにまとめてみる。



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