[歴史発想源] <和魂の酋長・南洋雄飛篇>第一回:南洋のエリート一族の祖「森小弁」

最強のベンチャー精神、最強のグローバル精神を学べ!

欧米に渡る者が多く西洋かぶれが幅を利かせていた明治時代、たった一人で南太平洋へと運命を切り開いていった、類まれなるベンチャー精神を持った日本人がいました。

第二次世界大戦の時に南太平洋に南下して統治地を日本化しようと考えていた日本軍は、日本にとって未開の地と思われていたその地に既に住み着いて日本化を果たしていた一人の日本人男性の姿に驚きます。

邦人未踏の南太平洋の島に一人で降り立ち、その島に貨幣経済や貿易観念を作り上げて大きく発展させ、大酋長となって原住民を束ねる存在になった日本人・森小弁(もり こべん)。

その生き様からは、グローバル化が叫ばれる現代人の未開拓の市場への進出や、販路開拓の際の信用拡大などに活きる大きなヒントが見つかることでしょう。

経営者・マーケティング担当者向けメディア『ビジネス発想源 Special』で連載中の、歴史上のエピソードから現代ビジネスの経営やマーケティングに活かせるヒントを見つけ出す人気コンテンツ「歴史発想源」。

連載時にビジネスマンの皆さんに大きな好評をいただいた「和魂の酋長・南洋雄飛篇」が、満を持して登場です!

南太平洋と日本の架け橋となった日本人の大酋長・森小弁の生き様を描く「南洋雄飛篇」(全8回)、第1回をどうぞ!



▼歴史発想源「和魂の酋長・南洋雄飛篇」〜森小弁の章〜

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【第一回】南洋のエリート一族の祖「森小弁」

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■南の国の大統領、高知県に降り立つ

2008年(平成20年)11月、高知県の高知龍馬空港に、一国の大統領が降り立ちました。

彼の名は、エマニュエル・マニー・モリ。

南太平洋の島国、ミクロネシア連邦の大統領です。



ミクロネシア連邦とは、どのあたりにある国かご存知ですか?

世界地図を広げてみて下さい。

日本のずっと南の太平洋上の、グアムよりももっと南、パプアニューギニアの北東あたりに広がる、600以上もの小さな島々から成る連邦国家、それがミクロネシア連邦です。

小さな島の集合体、という感じの国なんですね。

国旗は、水色に4つの白い星。ヤップ州、チューク州、ポンペイ州、コスラエ州という4つの州から成っている国であることを表しています。

以前はアメリカ合衆国の信託統治領でしたが、1986年、ついに独立を果たしました。

独立を果たしてからは、4つの州から輪番制で大統領が選出されており、エマニュエル・マニー・モリ氏は2007年に、チューク州から第7代大統領に選出されました。

そして翌2008年、そのモリ大統領が来日し、当時の総理大臣、麻生太郎首相と東京にて首脳会談を行ない、その後に四国の高知県へとやって来たのです。

そこで、なぜミクロネシア連邦大統領の日本での訪問先が高知県なのか……?



エマニュエル・マニー・モリ大統領は、政治家になる前はもともと、経営学の学士号を持つ銀行員でした。

シティコープのサイパン支店で管理職となり、その後はチューク州の国税局を経て、ミクロネシア開発銀行のCEO、ミクロネシア銀行の副総裁を歴任するなど、その経済手腕を大きく発揮してきた人物。

ミクロネシア連邦内の経済界における、超エリートです。

実は、ミクロネシア連邦のチューク州では、このエマニュエル・マニー・モリ大統領と同じモリ一族の人間が何千人もいます。

モリ一族はモリ大統領だけではなく、政界をはじめ経済界、教育界など、現地の様々な方面の世界で活躍をしているエリートを多く輩出しています。

チューク州はかつて、南洋の小島に住み着く部族の集まりに過ぎませんでした。そのチューク州の近代化を牽引してきたのが、モリ大統領も含む、モリ・ファミリーです。

そのように、ミクロネシア連邦の頂点に立った大統領を筆頭にチューク州の中核を担う人材を多く生んできた、モリ一族。

モリさんだなんて、まるで日本人のような苗字ですよね。

そう、このモリさんとはまさに、日本の「森さん」なのです。

モリ大統領の高知県訪問によって、この何千人にも及ぶチュークの名門一族が高知県出身のある人物にルーツを持つ、ということを、多くの日本人が知ることになったのです。

高知県とミクロネシア連邦をつなぐ、ある人物。

その人物こそが、今回の主人公となる、森小弁(もり こべん)という高知生まれの人物です。…

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