iPhoneにスイカ搭載! なぜ大騒ぎするの? 岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場9号



■はじめに

ブルームバーグのすっぱ抜きで明らかになった「iphoneのフェリカ搭載」。これでスイカは息を吹き返し世界戦略に乗り出すのか?

本年度一番のニュースです!

【目次】

1.クレジットカード駆け込み道場Q&A

Q1.「iphoneにスイカが載ることで、 なぜ大騒ぎするの?」

2.岩田昭男師範の大予言!

●「岩田が取材で掴んだカードの最新トレンド」

A. ポケモンGOが拓くクレジットカードのニュービジネス

●「岩田が取材で拾ったお得な話」

A. 安土桃山時代の日本とヨーロッパが融合した魅力あふれるセントレジスホテル大阪

3.お知らせ

1.クレジットカード駆け込み道場Q&A

このコーナーでは私に寄せられた読者からの質問に答えていきます。どんな質問でも結構ですから、質問・疑問をお寄せください。 お待ちしています。   

今回はiphoneとスイカの関係を15年間遡ってまとめました!!iphoneのフェリカ搭載は、誰も予想できなかった大快挙です。

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Q.iPhoneにスイカが載ると聞きました。騒ぎになっているのはなぜですか?

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■手軽で守備範囲の広いスイカ

A.スイカは日本ではメジャーな電子マネーの1つで、交通系電子マネーと呼ばれます。JR東日本が発行しており、基本は、電車に乗るために使うIC乗車券ですが、買い物する時にも使えます。

このスイカが人気になっているのは、駅で切符を買う手間がはぶけて、改札にかざすとそのまま駅に入場できるといった手軽さからです。

もう一つは街中の店でも、タクシーでも、コインロッカーでも、利用できるその守備範囲の広さが受けているのです。最近はJR東日本だけでなく全国のJRにも乗れるようになってさらに便利に。

■応答速度が速すぎて国際標準に洩れたフェリカ

このスイカの基本になっているのが非接触ICチップのフェリカという規格です。残念なのはこれが国内だけ通用する独自規格で世界共通規格としては長い間認められなかったことです。

それでも交通系電子マネーとしての性能は図抜けており、改札の応答時間は0.2秒の速さで、世界一混雑する新宿駅のラッシュアワーでも十分余裕を持っ

て対応できます。国内で使う分には全く問題がないので、ここまで伸びてきているのです。ところが、この優秀さが欧米の反発を買ったのです。

■スイカはスタートから15年、モバイルSuicaは10年に

スイカがスタートしたのは2001年11月。それが携帯電話に載ってモバイルSuicaとして使われだしたのが2006年。それから10年の年月が経ちました。

ただしスマホになってからはGoogleのアンドロイド型には対応しましたが、アップルのiPhoneには採用されず、長い間見送られてきました。その理由はスティーブ・ジョブスの頃からiPhoneは世界標準で使われている技術でないと認めないと言う方針があったからです。

■NFCとフェリカの違い

ここで非接触ICについて少し説明しましょう。端末にかざすだけで情報のやりとりができる非接触ICチップには代表的なものとして、フェリカとNFC(近距離通信規格)があります。

NFCは主に一般の買い物に利用することを目的に作られました。そのため応答速度はそれほど早くありませんでしたが、セキュリティーは堅固なものでした。これに対してフェリカは最初からJRの鉄道のために作られた規格で、応答速度の速さを特に強調していました。東京駅、新宿駅などのラッシュアワーに対応するために速さを重視したからです。そのためセキュリティー面などが若干おろそかになっていたとも言われています。

その結果NFCは世界標準として認められましたが、フェリカはいつまでも認められることがありませんでした(一説にはあまりに性能が良すぎるので、世界標準を決める欧米主体の審議会で阻害されて来たといわれています)。

そういう事情があって、スイカが登場してから15年が経つのですが国内ではもてはやされたこの電子マネーも日本から出ることはほとんどありませんでした。

■ガラパゴスの代表として自虐的に扱われてきたスイカ

その状況が長く続いたためか、日本の技術者たちはガラパゴスと言う名前でスイカを軽んじ見下すようになっていきました。特にひどかったのはTPPに参加して産業の基準が米国型にシフトすればいずれフェリカは日本から淘汰されるだろうと言う人たちがいたことです。

彼らが言うにはスイカは、今のままでは将来がないので、NFCの規格で新しく作り直すべきだと言うものでした。これには私も少しカチンときました。いくら国際標準に合わないものであっても国内では圧倒的な支持を得ているスイカです。

うまく回っているのに、わざわざお金をかけて作り直さねばならない理由などありません。そうした意見を私は何度か発信したのですがそれは少数派。いつの間にか、スイカはガラパゴスで使えない規格というのが業界の、専門家の多数の意見になっていました。

そういう中で今回アップルがフェリカを採用すると表明したのは画期的なことだと思います。ですからこれが騒ぎにならないわけはありません。

■フェリカ採用に動いたアップル側の事情は?

アップルは今回タイプFと呼ばれるフェリカを載せることに同意しました。その理由としてはJR東日本の粘り強い説得が奏功したことがあります。水面下でJRは長年にわたって動いていたようです。

一方でアップル側の事情もありました。右肩上がりで来ていたiPhoneの業績がこのところ世界的に低迷をし始めたのです。

その中では日本のシェアは全体の11パーセントを占めて最も有力な国のひとつとなっています。昨年の実績もプラスの伸びを見せていました。

その国のメジャーな電子マネーを放っておくのは、互いにメリットにならないと考えたのでしょう。スイカを使えるようにすることがアップルにとってのマーケティングの最大の関心事となっていきました。そうした観点から今回ルールを破ってフェリカを載せることにしたのです。

■早ければiphone7に載ってくるという噂

正式には2017年4月にグローバルな携帯電話には必ずタイプFを入れるようにという業界団体の取り決めがあり、アップルもそれに従う形をとるのですが前倒しして9月20日頃に発売されるiPhone7から載るといわれています。

これまではモバイルSuicaはアンドロイド型だけでしたが、iPhoneにも乗るとなるとスイカはスマホで使うものという認識が根付くでしょう。そうなればスイカは急速な普及を見せるはずです。

そこでアップルが期待しているのが、iPhoneの新しい利用者が増えること、またiPhoneからおサイフケータイ付きのiPhone7への乗り換えが増えて売り上げが増加することです。

■JR東日本の狙いとオリンピック対応

一方JR東日本としてはモバイルSuicaの普及が本格化してさらにスイカが生活に根ざしたツールになると期待しています。

それ以上に期待されるのが2020年の東京オリンピックです。その頃にはフェリカが世界のiPhoneに入る予定ですから、海外から来る人がスイカを入れて来日すれば国内の交通乗車や買い物が便利に利用できると見ています。



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