禁煙と副流煙の問題~武田邦彦集中講座 複雑な問題を簡単に切る(4)

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◆「受動喫煙防止法」で肺がんが増える可能性がある。

タバコのバッシングが続いていますが、社会がタバコについて誤解しているのを利用して、東京都は「受動喫煙防止」の条例を可決し、政府の方の法案はやや骨抜きになったようです。多くの読者の人も「タバコは無いほうが良い」と考えておられるようですが、それほど簡単ではありません。特に東京都の条例が具体的に施行されると、

1)肺がんなどが急激に増える可能性がある

2)個人生活が監視される

という二つのことが起こると予想されます。

簡単で良いことと考えていたことが、意外に私たちや子供たちに対して牙をむくことになる可能性がありますので、ここで整理をしました。

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ヨーロッパ、それも特に寒冷な北ヨーロッパで古くから「煙草に対する忌避感情」がありました。厳しい環境の中に住む彼らは少しでも生活の緊張感を緩めることができませんでした。その結果、北方に住む人は一般的に、競争力を高めるために背は高くなる、能力はあがる…その結果、世界のトップクラスになって、世界中の国を植民地にしました。

もう一つの特徴は、自分が自分に厳しいので、他人がサボっているのも許せないのです。だから、だらしなく見えることはみんな嫌いという傾向があります。

タバコについても同じで、タバコを愛した民族は「気候の良いところで、競争もない場所」に住んでいた人たちで、喫煙を最初に禁止したのはヨーロッパ、ゲルマン民族のドイツのヒットラーだったのも頷けます。自分の信念が正しいと狂信的に思っていて、ユダヤ人の大量虐殺を行ったヒットラーが喫煙を嫌がったのは著者には納得できることで、他人の価値観というのを認めないのです。

そして、この流れを汲んだのがやはり北ヨーロッパのノルウェーの首相を務めたWHO(世界保健機構)の事務局長で、「携帯電話の電波でも頭が痛くなる」というくらい神経質な女性だったのです。この人も、国際機関の事務局長や首相を務める女性ですから、それは大変な人生で努力に次ぐ努力だったのです。そして、まじめこの上ない生活を過ごしていたので、他人がタバコを悠々と吸って煙を出すなど、許せるはずはなかったのです。禁煙運動がかなり成功した時、彼女は「携帯電話も嫌だわ。そして次は禁酒に取り組みたい」と言っていました。

◆政府の「御用学者」によるタバコと肺がんの研究で、理解しがたい結果に。

タバコの忌避運動が日本に飛び火したのは1980年代でしたが…

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