血の気のない冷血動物 武田邦彦集中講座『おお、錯覚!食と健康(2)』

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◆病院が高血圧治療を始めて30年、血管障害が減り、ガンが増えた理由

温泉に浸かるとゆったりした気分になり、血の巡りが良くなり、ハッキリと元気が戻ってくることを感じます。なぜ、温泉に浸かると「良かった!」と思うのでしょうか?それは、体温が上がり、血液の粘度が上がって血流が多くなり、同時に体の表面が暖まるので代謝が盛んになり、人間の生体反応が順調になるに他なりません。

現在はすでにエアコンが普及していて、夏も冬も同じような生活ができるようになっていますが、ちょっと前まではものすごく暑い夏と、厳しい寒さの冬が人間を痛めつけたのですが、その中でも老人や赤ちゃんなどの体力が弱い人にとって「夏は楽だが、冬を越すのは厳しい」というのが現実でした。

真夏の暑い日の昼、老人がよく外に出て庭仕事などをしていましたが、熱中症で無くなる人などほとんど居なかったのですが、「冬は越せない」というのは普通でした。動物の多くも春に出産をしますが、これも「厳しい冬を目前にした秋、まして冬にはお産はできない」ということだったからです。

これら全ては「動物にとって血流と代謝が大切」であることを示しています。その血流と代謝を盛んにするのが「高い血圧」です。水道水を送ろうとすると強力なポンプがいるように、液体を輸送するには「ポンプで高い圧力を作る」ことが大切です。人間ではポンプは心臓で、圧力は血圧で示されます。

血液は全身の毛細血管にくまなく送る必要があり、そのためには水銀柱で140mmHg程度(普通は単位を使わずに単に140という)は必要です。一気圧は760mmHgで、水で言えば10メートルの高さまで上げることができます。人間の体は大きい人で180cmぐらいですから、計算上は760*180/1000=136.8mmHgが必要な圧力となります。

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