【考える力を鍛える“穴あけ勉強法”】(2)難しい長文を、簡単にわかりやすくする方法とは?

この連載では「考える力」を鍛える本「穴あけ勉強法」のやり方と、実際にドリル形式でやっていくことで、あなたの____をピカピカにしていきます。(前号から続く)



みなさん、こんにちは。

・今回は____です。

・実は私、____がものすごい苦手なんです。

・だって___から。



さて、穴を埋めてみてください。

………(下を見る前に必ずやってみて!)………



やりましたか? どんな言葉が浮かんだでしょうか?

答えは、

・今回は真面目にやるつもりです。

・実は私、仕事がものすごく苦手なんです。

・だって考える力なんてないですから。

……なんてわけありません。これが正解では、この先を読む気力は失せますよね。

本当の正解は……、

・今回は第2回です。

・実は私、日本語がものすごい苦手なんです。

・だって帰国子女だから。



なんとも、申し訳ない。

正解を見て、余計に不安になった方は多かったかもしれません。

でも、これこそが「穴あけ勉強法」が生まれた理由です。

私は父親の仕事の関係で、小学校4年生から中学生まで米国アラバマ州のハンツビルという、南部の田舎町で過ごしました。日本人の家族は我が家だけ。完全なアウェーでした。ですから日本語は家族との会話だけで、日常会話の7割は英語でした。帰国した時に「アクセントがおかしい」と笑われたり、漢字が読めなくて困ることは度々ありましたが、日本語が理解できなくて苦労することはありませんでした。

ところが、高校生になって校内実力テストの最中に、“事件”が起こります。

現代国語の長文問題を、何度読んでも理解できなかったのです。

漢字が読めないとか、読めない字があるとか、そういったことではありません。ちゃんと音読できるのに、意味がわからない。古文でもなければ漢文でもない。ただの現代文。なのに書いてあることが、ちっとも理解できませんでした。

普通に生活できているのに、日本語の長文を読解できない。生っ粋の日本人なのに、なぜか日本語が理解できない。

「………(涙)……」

ただし、私は日本語そのものがわからないわけではありません。

「You look younger than you really are 」は理解できなくても、「You look young」なら分かる。

長文になると少々混乱するのです。



そこで生まれたのが「穴あけ勉強法」です。



例えば、教科書の「源平の争乱」の章に、以下のような文章があったと仮定します。

1180年、平清盛は娘徳子と高倉天皇の間に生まれた3歳の孫を、安徳天皇として即位させます。このことで、自分が天皇になる可能性がなくなった人物がいます。後白河法皇の皇子・以仁王(もちひとおう)です。

以仁王は、源氏の中でひとり中央政界に生き残っていた源頼政(みなもとのよりまさ)とともに平氏打倒に立ち上がり、諸国に挙兵を呼びかけます。

これを穴あけ問題にすると、こうなります。

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