【他人をバカにすることで生きる男たち――⑪ なぜ、自称エリートほど“働かないジジイ“になるのか?】
前回は「初老害」の恐怖をお話しましたが、みなさんは大丈夫だったでしょうか?
「俺、ぜ〜んぶ当てはまった……。ショック」なんて方もいるかもしれませんね(苦笑)
でも、大丈夫! 今回お話することを胆に銘じておけば、老害と揶揄されがちな言動が「ベテラン社員からの応援歌」と受け止めてもらえる可能性が格段に高まります。
大型連載「他人をバカにすることで生きる男たち」の11回目の今回も、ちょっとばかり胸がギュンギュン締め付けられそうな話しから入りますが、最後には勇気がでてくるはず(たぶん)ですから、最後までお付き合いくださいませ!
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数年前に「追い出し部屋」なるものが問題になったときのこと、覚えてますか?
「赤字にあえぐパナソニックグループに、従業員たちが『追い出し部屋』と呼ぶ部署がある」という文言で始まった記事には、
100台ほどのパソコンと古い机が並ぶがらんとした室内に、様々な部署から正社員113人が集められ、退職強要とも受けとめられる“業務“を課せられている。(朝日新聞2012年12月31日付朝刊)
といった企業の卑劣なやり方が記されていました。
同様の“部屋”は、ソニーグループ、NECグループ、朝日生命保険などにも存在し、「企業開拓チーム」という名目のもと、自分自身で自分の出向先を見つけることを業務内容としている会社があることも判明。
この記事を見た40代以上の人たちは、「ひどいな、これ」と他人事を装いながらも漠然とした不安を抱きました。
もし、自分が「追い出し部屋に送られたら……」―――。
そんな考えたくもないシチュエーションが、脳内をよぎったのです。
「追い出し部屋」というショッキングな呼び名は瞬く間に“市民権”を得て、国をも動かしました。
厚生労働省は記事で報じられた5社に対し、「退職強要の有無等の調査」を実施。
とはいえ、所詮“お役所”の調査です。
結果は予想どおり「そういう部署はあった。でも、それはこれまでの業務とは異なる業務をさせているだけで、明らかに違法な退職強要を行っている企業はなかった」という、玉虫色の結論に至りました。
違法でなくとも、企業の真意はただひとつ。
心理的なプレッシャーをかけて、自ら辞めてもらいたい。
それ以上でも、それ以下でもない。退職強要なのです。
正直な話し、私は追い出し部屋に憤りを感じました。
心理的なプレッシャーほど、傷跡が深く残るものはありません。
リストラしたいのであれば、正々堂々行うべし! そう思ったからです。
でも、現場の人たちに意見をうかがってみると「追い出し部屋肯定派」が、
少なからずいることがわかりました。
しかも、肯定派は、「追い出し部屋」に戦戦恐恐…………