いよいよお金が無くなって大変なことになってきている。
昔、ラノベ雑誌に「中村うさぎのビンボー日記」というエッセイを書いていた私だが、あの当時は買い物依存症でシャネルやエルメスを買い過ぎた結果、水道代も払えなくて止められるという自業自得の貧乏生活だった。
が、今は同じ自業自得でも、「世間から見捨てられて仕事がない」という貧乏だ。
まぁ、使い過ぎて貧乏より、収入のない貧乏の方が、ある意味、「正しい貧乏」なのかもしれない。
「貧乏」に「正しさ」というものがあるのかどうかは知らないが。
それでも「ああ、どうしよう。お金がない」とかドキドキしながらも、あんまり危機感がないというか、どこかで「ま、どうにかなるか」と考えているところが、私の恐ろしい脳天気さである。
いままでずっと、この「どうにかなるか」で生きてきた。
そんでもって、どうにかなってきた。
まぁ、たまたま運が良かったんだと思うが、おかげですっかり人生をナメてしまって、ことお金に関しては危機感が異様に薄い。
世の中にはお金がなくて首をくくる人もいるというのに、私はたぶんそこでは首をくくらないだろう。
首をくくるとしたら、別の件で絶望した時だ。
病気のせいで歩けなくなり、仕事も金もなくなって、おそらく現在は私の人生で最悪の時期だと思う。
まぁ、これからもっと悪くなるのかもしれないが、現時点では自分史上最悪だ。
なのに私は、なんとなく幸せなのである。
そりゃ落ち込んだり苛立ったり自己嫌悪でどよーんとしたりはするけど、少なくとも自分を不幸だとは思ってない。
いろいろあったけど、ま、こんなもんか、という感覚だ。
そして、このまま終わったとしても、自分の人生は幸せだったと思えるような気がするのだ。