女王様のご生還 VOL.182 中村うさぎ
来月、63歳になる中村であるが、もう自分の年がわからなくなり、てっきり62歳になるのかと思い込んでいた。まぁ、62歳も63歳も変わらないのであるが、自分の年がわからなくなるという現象に愕然とした次第である。私、ボケてきたんだろうか?それとも、例の病気で死にかけて脳が一時的に機能停止したり薬の副作用で記憶が飛んだりしたせいで、時間の感覚が1年ほど消えてしまったのだろうか?まぁ、病気のせいか加齢...
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来月、63歳になる中村であるが、もう自分の年がわからなくなり、てっきり62歳になるのかと思い込んでいた。まぁ、62歳も63歳も変わらないのであるが、自分の年がわからなくなるという現象に愕然とした次第である。私、ボケてきたんだろうか?それとも、例の病気で死にかけて脳が一時的に機能停止したり薬の副作用で記憶が飛んだりしたせいで、時間の感覚が1年ほど消えてしまったのだろうか?まぁ、病気のせいか加齢...
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土曜の夜からどうも体調が悪いなと思ってたら日曜日と月曜日に完全にダウンしてしまった。で、寝込んでる間にひたすらベッドでYouTubeを観ているうちに、私の中で「ピアノ男子」がブームになった。じつはYouTubeってあまり観ないしYouTuberにも疎い。べつに嫌いなわけじゃないけどYouTube観てるとiPadの電池消費量がハンパないんで(充電は別の部屋でやらなきゃいけないの)面倒くさいんだ...
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ぼやぼやしてる間に今年も終わりに近づいてきた。でも年が変わったからといって何が変わるわけでもなく、また同じような一年が繰り返されるだけだろう。昨日と同じ今日、今日と同じ明日。似たような毎日がずっと続くのだとしたら、時を計る意味ってどこにあるんだろう?2020年が2021年になったところで、私にとっては何も変わらないじゃないか。人が「時間」という概念を数字で計測するようになったのは、おそらく未...
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この仕事を定職にしてからずっと、私は「幸せになっちゃいけない」と思っていた。幸せになってそこに定住してしまうと書けなくなるんじゃないかと恐れていたのだ。私が文章を書いているのは、人生に不満があったり疑問があったりして、いつも何かを探し求めているからだ。でも「安住の地」なんか見つけてしまって不満も疑問も持たなくなったら、きっと私は一行も書けなくなる。私の不安は的中した。年を取って欲も体力も減退...
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思春期くらいの頃からずっと、こたつでぬくぬくとしてミカン食べて満足してるような人生は嫌だと思っていた。寒くても外に飛び出し、冒険をして、たとえ痛い目や苦しい目に遭っても最終的には何かを手に入れるような生き方に憧れた。で、50歳くらいまではそうやって生きてきたし、そこにまったく悔いはないのだが、今はもうそんな気力も体力も失って、それこそ毎日こたつでミカン食ってるような日々である。いつもそばに優...
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最近、足の方はだいぶ改善してきて、以前よりはしっかりと歩けるようになってきた。とはいえ、依然として夫の介助なしでは出歩けないが、それでも去年や一昨年と較べれば雲泥の差だ。その代わり、左手がどんどん悪化してきて、まともに物を掴むことができない。先日も、皿に載せたオムライスを手から落としてしまい、廊下一面に卵とご飯とケチャップが飛び散って酷い有様になってしまった。オムライスの皿ひとつ運べない自分...
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「アナモルフォーシス」という画法がある。対象を歪ませて描き、特定の角度から観て初めて何が描かれているのかがわかる、という一種の「騙し絵」のような技法だ。有名なものではホルバインの「大使たち」という絵がある(下記参照)。https://bit.ly/2JxpVzo二人の大使の肖像画だが、彼らの足元に奇妙な模様が描かれている。一見、何だかよくわからない物体だが、角度を変えて観るとこうなる。htt...
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私は協調性がないので団体行動が大の苦手である。 誰かの決めたルールに従うのが苦痛でならない。 納得できるルールなら全然構わないが、少しでもおかしいと感じたら反論するし、それでも無理に従えと言われたらその集団からとっとと離脱する。 私の反論にちゃんと答えてくれるならまだしも、反論すら許さないような集団もいて、そういう「有無を言わせぬ全体主義」が大嫌いだ。 したがって私は、親しい友人との交流はあ...
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チャールズ・マンソンと彼の「マンソン・ファミリー」についていろいろ資料を漁っていると、「オウム真理教」との類似点がいくつか見えてきて面白かった。まぁ、オウム真理教に限らず、ある種の宗教やカルト集団に共通する点なのだろうが、まずは「終末予言」である。ご存知のようにオウムも「ハルマゲドンが来て世界が終わる」という麻原の予言があり、そのハルマゲドンに備えて滅ぶべき人々(要するに自分たち以外の人々)...
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ジョン・レノンを射殺したマーク・チャップマンについて「うさぎ図書館」の方で書いたが、彼についてもう一点、語りたい件がある。彼は後日、レノン射殺の動機についてこう述べた。「僕はずっと何者でもなかった(原文では「ノーバディ」と言っている)。でもジョン・レノンを殺して初めて自分が大物になった気がする」この発言を「有名人を殺す事で有名になろうとした病的な自己顕示欲の塊」と捉えて「理解不能の狂人」と決...
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