炭水化物がカラダを老化させる? Part 3

※この記事は、『バーサーカーコラム』2014年4月4日からの抜粋です。

http://www.berserker.jp/column/show/68

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アディポネクチンを増やし、インスリン感受性を高めることが「糖化」の害を防ぐことにつながってくる。今回は糖化そのものを抑えるさまざまな食材や物質を紹介しよう。

まずはカルノシンである。これはご存知の通り、βアラニンとヒスチジンからなるイミダペプチドで、カルボニル基を除去する作用があるため、AGEsの合成を防ぐことができる。またコラーゲンの架橋結合の生成を減らしたり、乳酸を緩衝して持久力をアップさせたり、傷の修復を早めたり、脳の機能を高めたりするなどの効果もある。

カルノシンを配合した目薬もあり、AGEsが原因となる白内障や緑内障、加齢性黄斑変性などの予防や治療にも使われている。

カルノシンは鳥の胸肉に豊富に含まれるので、ボディビルダーだけでなく、アンチエイジングに関心のある方にも普段から食べていただきたいものだ。

他の食材としては、特にショウガやシナモン、緑茶に糖化を抑える高い効果が認められている。またAGEs抑制だけでなく、AGEsによる炎症を防ぐ効果としてはショウガとシナモンがダントツで強いようだ。どちらも食材として安価に使えるものなので、積極的に利用していきたいものである。



Prevention of non-enzymic glycation of proteins by dietary agents: prospects for alleviating diabetic complications

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18986599

Inhibitory Effects of Several Spices on Inflammation Caused by Advanced Glycation Endproducts 

American Journal of Plant Sciences, 2012, 3, 995-1002



そして医薬品になるが、当然ながらインスリン感受性を高めるということで、メトホルミンにも強い効果がある。またメトホルミンは分子内にアミノ基を持つため、それがカルボニル基を補足してくれるという作用もある。メトホルミンには癌をはじめとした生活習慣病への効果があるということが知られているが、AGEs抑制もその作用に貢献しているのだ。

さらにACE阻害薬やARBにも酸化ストレス改善を介してAGEs蓄積を改善する作用がある。トレーニーは高タンパクの食事を長期に渡って継続するため、普通よりは腎臓に負担をかけていることは間違いない。常識的な量であれば気にしなくて良いが、非常識な量を摂取しているような場合は腎臓保護も兼ねて、ACE阻害薬を予防的に使用することも検討しておいて損はないだろう。



Reduction of the Accumulation of Advanced Glycation End Products by ACE Inhibition in Experimental Diabetic Nephropathy

http://diabetes.diabetesjournals.org/content/51/11/3274.long