「中学受験のイロハ」入塾テストの受け方

こんにちは。花まるグループの進学塾スクールFCの松島です。

今回は、これから通塾を検討されているご家庭に向けて、入塾テストの受け方についてお伝えしたいと思います。

入塾テストの主な目的は、現在の学力の把握と入塾後のクラスの決定の二つです。

よく保護者の方から、「入塾テストで落ちることはありますか。」と聞かれるのですが、明確に合否を出す塾とクラス分けが主たる目的でほとんど不合格者は出さない塾があります。いずれにしても受験後に面談やアドバイスを受けられますから、それを参考にして塾を決めればいいのですが、もし結果が予想以上に悪かった場合、親としてどう判断したらよいのでしょうか。

まず大切なことは親が慌てないことです。入塾テストは塾によって出題傾向や難易度が違います。ほかの塾のテストを受けてみると、まったく違う結果が出てくる場合もあります。実際に塾を選ぶ時には、「大手だから、実績があるから、家から近いから」という要素だけでなく、その塾の指導方針や指導形態、クラスの人数などがわが子に合っているかなども十分に検討しておきたいところです。そのためにもすぐに結論を出さず、複数の塾のテストも受けてみて、一番本気でわが子を見てくれそうな塾を選べばよいのです。

秋になると各塾で全国的な学力テストが行われます。これも入塾を検討されている方が受けるテストですが、普通の入塾テストと異なるのは、すでに塾に通われている子も力試しで受けているという点です。したがって偏差値が低く出てくる傾向があります。

また、中学受験を意識した出題になっているため、塾に通っていない子にとっては難しい問題もあります。ここでも結果だけを鵜呑みにせず冷静に判断することが大切です。

 ポイントは、①学校で習っている問題ができているか、②習っていない問題にどこまで手をつけられたか、この二つです。

①は、「習っているはずなのに意外にできていない。」と感じる場合もあるかもしれません。ただよく見てみると、「習っていてもこういう出題の形には慣れていないな。」という問題もあるはずです。本来そういう問題は塾に入ってから勉強するものですので、それができていないからといって落ち込む必要はありせん。また、学校のテストでは時間が足りなかったという経験は少ないでしょうが、こういうテストは問題量も多く、文章も長いため、テスト慣れしていないと時間切れになってしまいます。しかしこれも学力そのものとは別な話ですので、あまり気にしないことです。

②については、たとえ習っていなくても解こうとする意欲が問題用紙や解答用紙に表れていれば、それはがんばった証しですので、できていなくてもほめてあげてほしいところです。

親:「あの問題難しかったけど、がんばって考えていたんだね。」

子:「うん。もう少しでできそうだったんだけど、時間がなくて…。でも難しかったけど楽しかった!」

親:「そうなんだ。じゃあ、塾に通ってがんばってみる?」

こういう流れで入塾を決めるのならよいのですが、

親:「あの問題、どうしてできなかったの?もう少し考えればできたんじゃないの?そうすれば偏差値○○を超えたのに、がっかり!」

子:「・・・」

親:「あの問題を塾に通っている子はできているのよ。のんびりしていたらほかの子に遅れちゃうわ。明日から塾に通うことにしたから、いいわね。」

これでは、前向きに塾に通いたいとは思えないかもしれません。

まずは、塾に通うことが楽しみになるような声かけをしていきましょう。