「割合」は、入試算数の最初で最大の山場!

今回から、数回にわたって「算数・単元別学習のコツ」をお話ししたいと思います。

初回は、「割合」です。

分数の加減乗除を学習し終えると、入試算数の最初の山場である「割合」の単元がやってきます。今後、「割合」を利用して解く問題(「相当算」、「売買損益」、「食塩水」、「比」、「速さ」、「円とおうぎ形」…)が次々と各塾のカリキュラムに配当されていきます。

と言うことは、「割合」さえ攻略してしまえば、多くの入試頻出単元に対して得意になれるチャンス到来とも考えることができますね。

ところが、この「割合」に苦戦している受験生は数多く、学習相談は後を絶ちません。

どうしてなのでしょう?

苦戦している子どもたちの様子を見てみると、「割合」に対する本質的な理解があいまい、言い換えれば、「割合のイメージ」や「割合の身体感覚」がとても希薄なように思えるのです。

その原因の一つが、教え方にあると感じています。割合の教え方は、塾によって異なるばかりか、担当の講師によってもまちまちです。その中で下の「くもわ」の図で教わった子どもたちの中に、「割合のイメージ」が育っていない子どもが多いように思います。

縦に並ぶと、分数の分子、分母と考えて、わり算します。 … く÷も=わ、く÷わ=も

横に並ぶと、そのままかけ算します。 … も×わ=く

実は、そのまま、「割合の三用法(3公式)」ですね。

 (第一用法)くらべる量÷もとにする量=割合

 (第二用法)もとにする量×割合=くらべる量

 (第三用法)くらべる量÷割合=もとにする量 

合理的で素晴らしい「魔法の道具」のように見えますが、ここに落とし穴があります。

理解が進まないうちに、「くもわ」の図にあてはめて解くことで、基本問題はとりあえず正解できます。でも、少しでも問われ方が変化したり、わずかでも複雑になると、とたんに鉛筆が止まります。

それは、「割合の身体感覚」が育っていないからです。

割合はあらゆる単元に応用される重要な概念ですから、頭の中だけで分かっているだけでは使いこなせないのですね。

そこでここから、割合を正しく学習する方法をご説明していきたいと思います。

「分かる」から「できる」へとステップアップさせていきましょう。

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西村則康

35年以上、子どもの教育に関わり続ける。

日本初の「塾ソムリエ」として、塾の活用法や塾選びの視点、多岐に渡る受験ノウハウを世に送る。現役の家庭教師として受験の最前線に立っているからこその、具体的で実践的な提言に定評があり、テレビ、新聞、教育雑誌などからの取材は途切れることがない。その活動は受験フィールドに限定されず、教育研究家として、「勉強は子ども部屋ではなくダイニングテーブルで」「リビングは適度に散らかしておけ」「えんぴつの持ち方で成績が変わる」など独自の持論を展開、本当に頭のいい子を育てるために、親やまわりの大人は何をすればよいかということを発信し続けている。

プロ中のプロ講師のみで組織する、家庭教師集団「名門指導会」代表。

16万人のお母さんが参考にする中学受験ポータルサイト『かしこい塾の使い方』の主任相談員を務め、保護者の質問ひとつずつに丁寧に答えることをライフワークとしている。

「中学受験は親が9割」シリーズ(青春出版社)「つまずきをなくす算数」シリーズ(実務教育出版)「中学受験基本のキ!」(日経BP社)「頭のいい子の育て方(アスコム)など、20冊を超える著書がある。