「ミシュラン」と「ゴーエミヨ」2 料理展望8(山本益博)

ミシュランとゴーエミヨ2

「ゴ―エミヨ」とは、アンリ・ゴーとクリスチャン・ミヨの二人の食いしん坊のジャーナリストが始めたレストランガイドで、「ミシュラン」が「赤いガイド」と呼ばれるのに対し、「黄色のガイドブック」として1970年代から親しまれてきた。

「ミシュラン」が保守的なのに比べ、「ゴーエミヨ」は進取の精神に富んでいて、いち早く若い料理人の才能を見つけ出すのに長けていた。ミッシェル・ブラスもベルナール・ロワゾー、ピエール・ガニェール、マルク・ヴェイラも「ゴーエミヨ」が「ミシュラン」よりずっと前に高い評価を与えてきた天才料理人たちである。

「ミシュラン」に遅れること10年、昨年、日本にも「ゴーエミヨ」が上陸することを知り、大変に期待を寄せてきた。日本の「ミシュラン」の暴走を止めるのは対抗馬の「ゴーエミヨ」が一番ふさわしいと考えていたからである。

ところが、いざ昨年暮れ出版された「ゴーエミヨ2017東京・北陸」を見ると、掲載されているレストランの格付けが、赤いガイドと代わり映えがまるでしないのである。

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