本格化してきた米中貿易戦争の行方・エーザイ株と上海総合指数等

■本格化してきた米中貿易戦争の行方・エーザイ株と上海総合指数等

 最新刊の『習近平の真意:異形の大国を操る』(発行:李白社、発売:徳間書店)では、朝鮮半島情勢をめぐる日・米・中・朝・韓の駆け引きと、広大な国土および巨大な人口を持つ中国を率いる習近平総書記に焦点を当てて、東アジアの政治・経済を詳細に分析しています。全国の大手書店とネット書店に置いてありますので、ぜひ、ご一読ください。

●赤字削減だけでなく知的財産権侵害への制裁措置という側面も重要

 2017年の米中貿易はアメリカから見た場合、中国からの輸入額が5055億ドル、中国への輸出額が1299億ドルでした。つまり、アメリカの対中貿易赤字は3756億ドルで、これはアメリカの貿易赤字総額の46%にあたります(貿易赤字比率46%)。ちなみに貿易赤字比率10位までの国を列挙すると、メキシコ(9%)、日本(9%)、ドイツ(8%)、イタリア(4%)、インド(3%)、カナダ(3%)、韓国(3%)、台湾(2%)、フランス(2%)です。

 中国がダントツの1位なので、トランプ政権は以前から、対中貿易赤字の1000億ドル削減という目標を掲げてきました。この目標を達成するためにトランプ政権は500億ドル相当の中国からの輸入品に25%の追加関税をかけると6月に表明していたのですが、まず7月6日にそのうちの340億ドル分に25%の追加関税をかけたのでした。対象となったのは自動車、電子部品、医療機器、産業用ロボットなど818品目で、中国のハイテク産業育成策である「中国製造2025」の重点投資分野の品目から選ばれました。後述しますが、これは中国の知的財産権侵害への制裁措置という側面も強いのです。残る160億ドル分についてもアメリカの企業の意見を聞いたうえで早めに発動する方針となっています。

 一方、中国もさっそく同日、アメリカから輸入する大豆、牛肉、自動車など同じく340億ドル分545品目に追加関税を課しました。しかもこれらの品目はトランプ政権の与党・共和党の地盤の産品が中心です。

 対して7月10日、さらにトランプ政権はテレビ、衣料品、食料品など2000億ドル相当の6031品目の輸入に10%の追加関税を課すと表明しました。発動は9月以降になる見通しです。

●中国共産党で定着しつつある「経済がすべて」という判断の下の習近平思想

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