女王様のご生還 VOL.183 中村うさぎ

加齢とともに代謝が落ち、そのうえ足が悪いのを理由に滅多に出歩かなくなったせいで慢性的な運動不足で、めきめきと太っている今日この頃である。

先日、病院で体重を計ったら55キロだった。

身長が153センチしかないのに、この体重は多すぎる。

もっともステロイドの副作用で激太りした時には60キロ以上あったから自己最高体重ではないものの、今まで着てた服が軒並み入らなくなったのは残念過ぎる。

だが、相変わらずダイエットする気は一切ない。



そこで、胸のシリコンを撤去することにした。

胸がぺちゃんこになれば、服も入るようになるかもしれない。

もはや自分の容貌にも関心を失い、恋愛やらセックスからも完全に引退した今、シリコンで無駄に大きいおっぱいなど不要である。



そんなわけで明日から、熱川で半隠遁生活を送っているタカナシ院長のクリニックに行くことになった。

元旦に熱川に遊びに行ったばかりだというのに、私はどんだけタカナシが好きなんだ(笑)。

だが、今回は真面目に手術を受けに行くのである。

ちなみに熱川のタカナシ邸にはちゃんと手術室も完備されてるんですよ。



タカナシと違って半隠遁どころか完全隠遁ライフを送っている私は、心の底から出かけるのが億劫である。

昔は家にじっとしてられなくてあちこち飛び回っていたのに、今は介助なしにひとりで出かけられない身体というのもあって、近所のコンビニにすら滅多に行かない。

外食の機会も激減したし、夜遊びなんて滅相もない。

そんな私なのに、熱川でシリコン抜くのは楽しみで仕方ないのだ。

というのも、シリコン抜いた後のおっぱいがどうなるのか興味津々だからである。



元々は貧乳だったのに巨乳に憧れて無理やりシリコン入れたため、私の胸部の皮膚はずいぶん伸びていることと思う。

加えて、ここ数年の激太りだ。

おっぱいを覆う皮膚は最大限に伸びている。

そこにもってきて、いきなりシリコンを抜くわけだ。

単に貧乳に逆戻りというわけにはいくまい。

伸びに伸びきった皮膚がたるんで、お婆ちゃんみたいなシワシワの垂れ乳になるに違いない。

うわぁ、見たい!

どこまで乳が垂れるかぜひ見たいーー!

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