女王様のご生還 VOL.123 中村うさぎ

メルマガオフ会で取り上げられなかったご質問についてのお返事です。



「私は小さい頃から父親や母親から完全に無関心で育てられました。

施設に預けられ、父親も母親も離婚して別の人と再婚しました。



自分は捨てられたんだと10代で気づきました。

その後荒れた時期もありましたが、なんとか生きてきました。



30代になり、母親や父親のことは忘れて生きてきたつもりでしたが、最近やはり母親から愛されたい、父親から愛されたいという気持ちに気がつきました。

うさぎさん、どうすれば親を捨てられますか?

特に母親から愛されたいという気持ちが強く、母親は私に無関心でお前なんか産まなきゃよかったとさんざん言われました。

また私に新しい恋人ができると邪魔してきたり、仕事がうまくいっても褒めてくれません。



父親から愛されたいという気持ちは多少ありますが、どうでもいいです。

ただ、母親から愛されたいという気持ちは諦めきれません。



どうすればきっぱり母親を捨てられますか?」



この質問にはもしかしてお答えしたのか、まだしてなかったのか、私の管理が杜撰でわからなくなったので、以前に取り上げていたらごめんなさい。

ていうか、記憶力がやばい(;’∀’)



なんとなくお答えしたように感じるのは、この質問を読んだ時に「何故、お父さんはどうでもよくてお母さんにこだわるんだろう?」と怪訝に思った記憶があるからです。

「やっぱり母と子の絆は特別だから」だなんて答は違う気がします。

母親いなくてもちゃんとやっていけてる人は大勢います。

母親から愛されても、その愛の種類によっては迷惑だったりする場合もあります。

でもTVや映画を観ていると、母親は無条件に子を愛するものとして描かれています。



本当にそうなのかなぁ?

母親だってひとりの未熟な人間だよ。

子ども産んだ途端にそんな聖女みたいな愛を身につけるとは思えない。

少なくともうちの母親はめっちゃ未熟者だったよ(笑)。

もしかして、母性愛なんて、神話や都市伝説の類じゃないの?



で、あなたが「母の愛」にこだわるのは、その神話を信じてるからじゃないかと思うんですよ。

幼い頃に「無条件に受け入れ愛してくれる人」がいなかったから、自分はこんなに孤独で満たされないんだ……と、そんなふうに、ついつい原因をそこに求めてしまうのかもしれません。

が、たとえ完璧な家庭環境に育っても、人は孤独で満たされない。

それはもう絶対的な事実なのです。



親の愛がどうこうとか精神科医は言いますけど、私はあまり信用してません。

だから、あなたの抱える虚しさや寂しさを親の愛情不足だと安易に片づけていいのか、そこに疑問を感じます。

他の人が普通に持っているものを自分は持ってない……あなたの場合はそれが「親」でしたけど、親がいたらいたで別の物が足りないと感じてしまうのが人間なのです。

親にDVなどを受けて育った子には確かに深刻な影響があると思いますが、「愛情不足」という曖昧な基準に生きづらさの原因を求めるのはどうなんだろう。

なんだか違う気がして仕方ないんだけど、あなたはどう思いますか?

この続きを見るには

(1,040文字)

¥200(税込)

購入して続きを読む