自民党総裁選後の課題・北海道地震と泊原発・トルコ外債とカナモト株等

■自民党総裁選後の課題・北海道地震と泊原発・トルコ外債とカナモト株等

 大好評発売中の『習近平の真意:異形の大国を操る』(発行:李白社、発売:徳間書店)では、朝鮮半島情勢をめぐる日・米・中・朝・韓の駆け引きと、広大な国土および巨大な人口を持つ中国を率いる習近平総書記に焦点を当てて、東アジアの政治・経済を詳細に分析しました。全国の大手書店とネット書店に置いてあります。ぜひ、ご一読ください。

●1回目の政権と2回目の政権の間に大きく変貌した安倍首相

 任期満了に伴う自民党総裁選が9月7日に告示されました。9月20日に投開票が行われて新総裁が決まります。連続3選を目指す党総裁の安倍晋三首相と石破茂元幹事長という2人の候補者の一騎打ちとなりました。2人ですから、議員票405票と党員・党友票405票の合計810票のうち得票数の多かったほうが当選します。安倍首相の3選は間違いないでしょう。私は安倍晋太郎氏(総理・自民党総裁を目前にして1991年に病死)と親しく、息子である安倍首相とも長い付き合いで何度も突っ込んだ議論をしたことがありました。

 自民党は公明党と連立政権を組んでいますが、自民党から首相を出すことになっているため、自民党総裁が国会でも首相に選ばれるわけです。安倍首相は2回政権を握りました。1回目は2006年9月26日に臨時国会で首相に指名されたものの、ちょうど1年後の2007年9月26日に体調不良を理由に退陣しました。この1回目の政権は失敗で、首相としての能力にも疑問符が付いてしまいました。端的にいうと、首相の任に耐えられるだけの材料を持ち合わせていなかったのです。

 2回目の政権に就いたのは2012年12月26日でした。以来5年9ヵ月間も政権を担っています。1回目の政権を手放してから2回目の政権を握るまでの間に安倍首相はがらっと変わりました。2回目の政権が発足する直前の2012年12月20日、私はある会合で安倍首相と一緒になったのですが、直接話してみて非常にびっくりしました。これが同じ人物かと思ったほど発言の内容がしっかりしていたからです。言い換えれば、人間が出来上がっていました。

記事の新規購入は2023/03をもって終了しました