■深刻な人手不足における外国人労働者の受け入れ方・東京精密株とスズキ株
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●安倍政権が打ち出した単純労働を認める「新たな在留資格」の創設
厚生労働省のまとめによれば、日本で働く外国人労働者の数は2017年10月時点で127.9万人になりました。この数は5年前の2012年と比べてほぼ倍増で、日本の全就業者数(6687万人)の約2%にあたります。在留資格別では留学生と技能実習生の増加が特に目立つのですが、主な就業先は留学生が宿泊業、飲食業、小売業など、技能実習生は製造業、建設業、農業などです(2017年10月時点で働いている留学生は25.9万人、同じく技能実習生は25.8万人)。
いずれの業種も人手不足が深刻化しており、留学生と技能実習生は貴重な働き手となっています。ただし留学はもちろん技能実習も本来は日本で労働するための在留資格ではありません(技能実習は途上国の人材にその国の経済発展のために日本の技能・技術・知識を身につけてもらうことが目的)。技能実習生には家族(配偶者や子供)の帯同は認められず、日本で実習できる期間も最長で5年となっています。
従来、日本の外国人労働者受け入れは高度な専門知識を持つ外国人だけでした。単純労働の外国人労働者を受け入れると文化摩擦や治安悪化が起きるのではないか、という懸念があったからです。それでも単純労働の業種から人手確保のニーズがあるため、職種を約80に限定した技能実習生という形で単純労働の外国人労働者を受け入れてきました。技能実習生ならその目的からすると、単純労働の外国人労働者を受け入れているのではないという建前を維持できたからです。