ドイツの連立政権協議の行方・安倍政権の税制・塩野義製薬株と富士通株等

■ドイツの連立政権協議の行方・安倍政権の税制・塩野義製薬株と富士通株等

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●決裂した連立政権協議の後に残されたメルケル首相の選択肢とは?

9月25日のドイツ連邦議会(下院)選挙の結果、CDU/CSU(キリスト教民主・社会同盟)246、SPD(ドイツ社会民主党)153、AfD(ドイツのための選択肢)94、FDP(自由民主党)80、左派党69、緑の党67という議席配分となりました(過半数は355)。今回特徴的だったのは、メルケル首相率いるCDU/CSUが65議席減、SPDが40議席減と予想外に大きく負けたのに対し、反移民・反イスラムを掲げる右翼政党のAfDが勢力を伸ばして第3党へと躍り出たことです。

これまでCDU/CSUはSPDと連立政権を組んできたのですが、選挙での惨敗を受けてSPDが連立解消を決めたため、FDPおよび緑の党との3党連立による政権樹立を目指さざるをえなくなりました。そこで3党による連立協議が10月18日から始まったのですが、合意に向けて最も重要なテーマの1つとなったのが難民問題でした。

CDU/CSUは2015年夏まで40%以上の安定した支持率を維持していました。しかしメルケル首相が同年8月31日の記者会見で「2015年のドイツへの難民申請は過去最高の80万人に達する」という見通しを示して難民受け入れに寛容な姿勢を表明すると、以後、ドイツには中東出身者を中心に大量の難民が押し寄せるようになりました。それがドイツの治安悪化や財政負担の問題へとつながって、CDU/CSUの支持率は2016年後半に30%前後にまで落ち込んでしまったのです。反面、勢力を伸ばしていったのがAfDでした。

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