男系男子天皇の問題~武田邦彦集中講座 複雑な問題を簡単に切る(6)

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◆「男系天皇」制度が守られてきた理由を、遺伝子レベルで考える

今上天皇陛下が来年に退位されて現在の皇太子が即位される予定です。でも、明治以来、天皇陛下がご健在の時に退位された例がないので、なかなか法律的にもむつかしい問題があるようです。また、戦後、占領軍の政策で皇室の数がかなり減らされたこともあり、現在の皇室の中から男子の皇位継承者になる人が少なくなってきているという問題があります。

そこで、「女性でもよいではないか」とか「女系天皇では」という意見がでるのは当然のことです。そして神武天皇の御代は現在と全く違うので、はたして大昔の規則をそのまま現在に適応してよいのかということも十分に考えなければなりません。

「男性天皇」と「女性天皇」という問題と、「男系天皇」、「女系天皇」というのはまったく違うので、まずはそれを整理しておきます。

「男性天皇」、「女性天皇」は簡単で、天皇陛下が男性か女性かの区別をするだけです。これはあまり問題はなく、奈良時代までは男性の天皇が女性の天皇よりやや多いというぐらいですし。最近では後桜町天皇がご退位になったのが1770年ですから江戸のやや後期ですので、歴史的にもいつでもOKということです。

それに対して「男系」というのは男性天皇の血筋からしか天皇に即位しないということでから、仮に女性の天皇が即位されても、その子供(女系)からは即位しないということです。かならず男性の天皇の子供や孫が天皇になるということを意味しています。

この制度は「男性が優位」とかそういうことではなく、単に「遺伝的な規則」です。夫婦から生まれる子供で、男性はY遺伝子を持ち、このY遺伝子は父親からしか引き継がれません。一方、女性はX遺伝子しかないので、すべての遺伝子を父母から受け継ぎます。つまり、「男系」ならY遺伝子がそのままなので「血統」がはっきりするのですが、「女系」の場合は遺伝子が混合してしまうということです。

日本の皇室は「男系」を守ってきたので、現在の天皇陛下のY遺伝子は神武天皇のY遺伝子と全く同じものです。

神武天皇のときになぜ子供は「男系」を守り、天皇自体は男性でも女性でも良いという特殊な即位方式をとったのかは不明ですが、遺伝子の知識がない時代でも、「男性の基本的性質は父親と男子が似ているが、女性の性質は父親と母親の影響がある」ということに気が付いたのでしょう。

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