改憲で軍隊となる自衛隊・日本郵政の野村不動産合併・NTTドコモ株等

■改憲で軍隊となる自衛隊・日本郵政の野村不動産合併・NTTドコモ株等

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●安倍首相が提唱した日本国憲法第9条に3項を加えることの意義

自民党総裁でもある安倍晋三首相は5月3日の憲法記念日に「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と発言し、「憲法第9条の1項と2項を残しつつ自衛隊を明文で書き込むという考え方は国民的な議論に値する」と提案しました。現行憲法の施行から70年の節目をとらえ、初めて2020年という改憲の具体的な目標時期に言及したわけです。自民党総裁の任期は2018年9月までですが、次の総裁選で勝てば任期は2021年9月まで延びますから、それを踏まえて安倍首相は自民党総裁在任中に改憲を行うという姿勢を明確にしたともいえます。

安倍首相の提案をもう少し具体的に述べると、「戦争放棄」の1項と「戦力の不保持」の2項にさらに3項として「自衛隊の存在」を加えるというものです。これについては「3項を『前項の規定にかかわらず自衛のために自衛隊を置く』とすれば自衛隊に対する憲法違反という批判は防げる」との意見も出ています。とはいえ、自衛隊を憲法に明記する意義は、自衛隊を合憲とすることよりも実質的に自衛隊を軍隊(国軍)へと昇格させることのほうが大きいのです。

自衛隊については国民の間ですでに広く認知されるようになっているのですから、その意味では「自衛隊の存在」を確認するだけのために憲法を改正する必要はないでしょう。一方、現行の第9条のままでは自衛隊が軍隊として認められていないのは確かです。だから日本には軍隊に適用される特別な法体系の軍法もありません。軍法があれば、軍隊の隊員の軍事犯罪については刑法ではなく軍刑法によって裁かれます。このときに実施される裁判が軍法会議です。けれども軍隊ではない自衛隊の隊員は通常の刑法の適用を受けなければなりません。

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