炭水化物がカラダを老化させる? Part 1

※この記事は、『バーサーカーコラム』2014年2月24日からの抜粋です。

http://www.berserker.jp/column/show/62

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美容に関心の高い層にとって、「糖化」の害は既に常識となっているらしい。糖化(グリケーション)というのは「アミノカルボニル反応」のことで、アミノとカルボ、つまり炭水化物(糖)とアミノ酸が反応するということ。では、なぜこれが害をおよぼすのか。

血液検査をしたことのある人なら、「HbA1c」という項目を知っているはず。これは糖尿病のチェックに使われる項目で、ヘモグロビンに糖が結合したものである。ヘモグロビンはアミノ酸のグリシンから作られるが、これが糖化すると、HbA1cになるのだ。

糖に含まれるカルボニル基と、アミノ酸のアミノ基が反応すると、アマドリ化合物というものができる。HbA1cは、このアマドリ化合物なのである。そしてヘモグロビンだけでなく、コラーゲンやリゾチーム、アルブミン、フィブリノーゲンなど、生体内にあるタンパク質は全てが糖化を起こす可能性を持ち、アマドリ化合物を生成し得る。

HbA1cはマクロファージに貪食されるが、多くのアマドリ化合物は最終的に「AGEs」というものになる。これが問題なのだ。例えばAGEsになったコラーゲンは互いに結合しあって、コラーゲンとしての弾力性が失われる。そして血管は硬化し、血栓もできやすくなる。また悪玉コレステロールであるLDLが糖化されると泡沫細胞となり、アテロームを形成して動脈硬化の原因となる。

さらに問題なのは、SODやカタラーゼなどの活性酸素を除去する酵素が糖化されてしまうことだ。こうなると活性酸素を除去する効果は当然失われるし、糖化されるその過程においても活性酸素が発生してしまう。

血管のコラーゲンについて前述したが、もちろん皮膚や筋肉、骨などのコラーゲンも糖化によってダメージを受ける。ターンオ-バーが遅くなって肌はなめした皮のようになり、骨や筋肉は弱くなり、怪我をしやすくなる。

問題は、この「糖化」というのは非酵素的に起こるということである。つまり炭水化物が多ければ多いほど、つまり血糖値の高い時間が長ければ長いほど、糖化が起こりやすいのだ。

糖尿病の患者はインスリンが働かず、血糖値の高い状態が長くなる。そのため糖化が非常に起こりやすく、それが糖尿病で合併症が起こる主な理由となっている。

血糖値を低い状態で安定させるためにはどうするか。一番簡単なのは、炭水化物の摂取量を減らすことである。つまりローカーボ・ダイエットが糖化を防ぎ、老化を抑制してくれるというわけだ。

しかし日本人の食生活では、なかなか糖質制限には踏み切りにくい。そのための対策を次回で紹介しよう。