昨夜、家入一真さんのラジオ番組にゲスト出演した。
家入さんとは久しぶりに会ったが、相変わらず掴みどころのないキャラで、だけど奇妙な魅力があって私は好きだ。
家入さんとは、私が病気をする前だからもう5年以上前に初めてお会いし、彼の案内で新宿歌舞伎町の「豚に真珠」というデブ専キャバクラに遊びに行った。
このお店はその名のとおり、おデブな女の子たちが肉を揺らしながら接客してくれるキャバクラなんだけど、みんなすごくチャーミングで活き活きしてて驚いた。
「デブ」は、女の美醜界ではかなり下層に位置づけられていると思う。ゲイの世界ではデブ専がかなりいるのでデブはモテ自意識があって堂々としているが、ノンケの男女界ではそうではない。むろんノンケ界にもデブ専はいるけど、少数派だと思われてるし、「マニア」のレッテルを貼られることも多いので、あまり堂々とデブ専を名乗る人は少ないのだ。
しかも異性だけでなく、同性間でもデブは軽蔑される。
かく言う私も、少しでも太ったら危機感を覚えて慌ててダイエットに励み、バービー人形のような体型を目指して頑張ってきた。
今はもうダイエットも面倒臭くなり、「どうせ余命いくばくもないんだから好きな物を好きなだけ食べてやる!」という境地に達してしまったが、若い頃は「肥満は恐怖!」であった。
そんな「女の美醜」競争の中、家入さんに連れて行ってもらったデブ専キャバクラの女の子たちには心から癒される思いがしたが、その「癒され」にも軽い侮蔑の気持ちがあったことは否めない。
いや、侮蔑があったからこそ、無防備に癒されることができたのである。若くて美しい女の子たちがひしめくキャバクラだったら、あんなに楽しく過ごせなかったと思う。
そのデブ専キャバクラに、福島で被災して上京してきたという新人のホステスがいた。
彼女が言った言葉は、今でも憶えている。
「福島にいた頃は、自分みたいなデブは女として誰にも相手にされないと思ってたんです。他人の目が怖くて、いつもオドオドしてた。太った自分が嫌いだったし、学校でもイジメられました。でもあの地震で被災して住む場所がなくなり、思い切って東京に来てみたら、こんなお店の存在を知って、東京って懐が深い!と感動しました。今は居場所を見つけた気分です」