メキシコの「noma」 料理展望9(山本益博)

メキシコの「noma」

現在、世界で一番影響力のある料理人と言えば、誰しもが、コペンハーゲン「noma」のレネ・レゼピシェフを挙げるだろう。

「noma」は「ノルディック・マド(北欧の食材)」の頭文字をつなげて店名にしてある。

シェフのレネ・レゼピの両親はマケドニアからの移民で、彼は1977年デンマーク生まれの40歳。ふとしたきっかけで料理の道に入り、フランスの3つ星、スペインの「エル・ブリ」アメリカの「フレンチ・ランドリー」で研鑚を積んで、26歳のときに、コペンハーゲンに店を開いた。

レストランは運河沿いにある廃屋になった倉庫を改装し、生地を生かした自然で簡素な内装である。店を開くにあたって、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、アイスランド、グリーンランドの北欧5カ国を旅して食材を探しまわった。その旅からひらめきを得て、北欧の食材のみで料理・デザートを作るレストランを思いついた。レネのレストランのコンセプトは「時と場所」。

記事の新規購入は2023/03をもって終了しました