暴落した日米の株価・好材料の日欧EPAとTPP11・島津製作所株等

■暴落した日米の株価・好材料の日欧EPAとTPP11・島津製作所株等

2月下旬に「長谷川慶太郎の大局を読む 緊急版」の『日本の難題』(発行:李白社、発売:徳間書店)が新しく発売されます。景気拡大期こそ改革の好機という観点から、東京オリンピック後、日本の株価、憲法改正、核保有、天皇制、安倍一強、製造業の行方、EVへのシフト、銀行業界、AIの時代、朝鮮半島という11の難問に対して明確に答えた内容となっています。ご期待下さい!

●一時1600円以上も大暴落した日経平均株価はこれからどうなる?

 2018年2月5日、日経平均株価は592円安となった。さらに翌2月6日には一時1600円以上も暴落し、終値でも1071円安を記録したのだが、この下げ幅は2016年6月24日以来の大きさである。また、東証一部でも上場銘柄の98%が下落した。日経平均は1月23日に26年ぶりに2万4000円台を回復したばかりだったので、なおさらこの暴落は人々に大きな衝撃を与えた。日経平均の終値は、年初来高値でもある1月23日の2万4124円から2月6日の2万1610円へと2週間で実に2514円も下落したのだ。

 一方、アメリカのダウ工業株30種平均は1月26日に終値で223ドル高の2万6616ドルと続伸して3日連続で過去最高値を更新した。ところが、2月2日に665ドル安と急落し、土日を挟んだ2月5日には一時1597ドル安となって終値でも1175ドル安と大きく落ち込んだ。これは1日の下げ幅としては過去最大である。1月26日から1月5日にかけて終値は2270ドルも下がったことになる。

 2月6日時点における日米の株式時価総額は1月末に比べて約300兆円も萎んでしまったのだが、時系列の比較で明らかなように日経平均の暴落の引き金はダウ平均だ。ではなぜダウ平均に変調が起きたのかというと、きっかけは2月2日の朝にアメリカ労働省が発表した1月の雇用統計である。これによれば景気動向を敏感に反映するといわれる非農業部門の雇用者数は前月比で市場予測の17万5000人増を上回る20万人増だった。直近3ヵ月の増加数の月平均19万2000人をも上回る好調な雇用者数の伸びで、失業率も前月と同じ4.1%となって約17年ぶりの低水準を維持した。つまりアメリカは人手不足であり、1月の雇用統計での民間部門の平均時給も前年同月比2.9%増の26.74ドルとなった。これは約8年半ぶりの高水準だ。人手不足が賃金を押し上げている。

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