1984年の日本~武田邦彦集中講座  日本の子供の時代の社会(2)

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◆ユダヤ人虐殺やスターリン2000万人粛清を彷彿とさせる「日本型精神的全体主義」の社会

イギリスの作家、ジョージ・オーウェルが1940年代に書いた「1984年」という小説。全体主義の恐ろしさを具体的に描画してベストセラーになった本です。すでに全体主義としては有名なドイツのヒットラー、当時進行中だったソ連のスターリン粛清、そして私が感じるのは、現在の日本の「空気が支配するダブルスピーク」などで人間社会が崩壊する状態が内容になっています。

ヒットラーのユダヤ人虐殺や、スターリンの2000万人に及んだという粛清(政治上の犯罪を理由にした銃殺)は、現在の日本とかけ離れているように思いますが、私はむしろ現在の日本の方がひそかに、より深く事態が深刻になっているように思います。

当時のドイツ、ソ連で人生を送った人は、その人が殺されなくても常にいわれなき罪を被ったり、ダブルスタンダード(厳密には同じではないけれど、オーウェルの造語によるとダブルスピーク)で苦しんで生活をせざるを得なかったのです。

このままいくと、日本の子供たちの時代は「日本型精神的全体主義」とでもいう社会に住むことになり、暗くつらい人生が待っているように思います。

2,3の具体的な例を挙げたいと思います。

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