トランプ大統領の移民政策の報道と特権的メディア~武田邦彦集中講座 フェイクニュースの見分け方(2)



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◆なぜ日本の報道機関はフェイクニュースを故意に流すのか?

先回、アメリカの中間選挙での日本では「上院と下院にねじれが生じたから、トランプ大統領は窮地に陥った」と一斉に報じられましたが、アメリカではニューヨーク株価が急騰したことでもわかるように、全体としては「ねじれの方が良い」という判断をしました。これは日本がフェイクニュースを流したということを解説しましたが、今回は、日本の報道を見ていると、トランプ大統領の政策が「乱暴」と見える理由を整理してみたいと思います。

中間選挙の前、トランプ大統領はメキシコからの移民を抑えるために南部国境に軍隊を派遣するという演説をしました。これに対して日本では「移民を阻止するのは人種差別の一環だ」という論調が多く、ニュースでは「移民の入国を阻止する」と報道されました。でも、トランプ大統領が一貫して主張しているのは、「違法な移民は認めない」、「アメリカへの入国は合法的でなければならない」と言っているだけです。

しかし現実的には、見出しや表現が誤解を生むように仕組まれているので、中年のインテリの人が「トランプはけしからん!人種差別主義者だ!移民を認めないとは!!」と息巻いていましたが、おそらくその人は「日本へ違法移民を入れる」と言ったら反対するでしょう。

さらに今、問題になっているメキシコからの移民というのは、メキシコ人ではなく、ホンジュラスなどから陸路、メキシコを通ってアメリカへ移民しようとする人たちで、犯罪人、人身売買関係者などを多く含んでいるといわれています。メキシコ自体は比較的安定しているので、移民もあまり切羽詰まっていませんし、合法的にアメリカに移住することもできます。いくらアメリカでも犯罪人や人身売買などとなると拒否するのが当然で、だからこそ「メキシコとの間に壁を作って、物理的には入れないようにする」というトランプ大統領の政策になるのです。

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