TOKIO山口メンバー会見で活躍したアメリカンプロレスマネージャー

TOKIOのメンバーである山口達也さんが起こした未成年者とのトラブル。大きな注目の中、謝罪会見が行われました。私はマスコミから謝罪に関するコメントを求められましたが、時間制限があるため、どうしても断片的な説明になってしまいます。そこで文字制限のないこのマインで、思い切り書いてみたいと思います。

1.この謝罪会見の課題

不祥事やスキャンダルも2種類あり、芸能生活などに致命的なもの・事件と、犯罪すれすれのグレーなものがあります。例えば違法薬物関係は完全に犯罪であり、殺傷事件も同じく刑法犯で、こうした問題が起きた場合、謝罪ウンヌンどころで済むことはありません。一方の犯罪すれすれだったり、不倫に代表される犯罪ではないが社会的批判を呼ぶ行為の場合、上手な火消しができることで、その後の社会的立場を維持できることがあります。

本件は国民的アイドルグループが、よりによって未成年者と飲酒し(飲酒したのは山口氏のみとの説明)、その上でキスを迫るなどの行為があったということで、このままなら問答無用の犯罪であり、謝罪などしたところで事態が変わることはないでしょう。しかし本件では被害者側が和解に応じ、示談が成立したとのこと。ギリギリのところで踏みとどまっています。この先不起訴などになれば山口氏が会見で述べたような、将来のTOKIO復活の可能性を残すことになるでしょう。

また犯した罪の中身も大きく影響します。交通違反や被害者のいないケースでは、比較的寛容な受け止められ方となりますが、今回は未成年への強要という、アイドルグループとして致命的なものでした。山口氏と所属事務所はこの高いハードルに対処する必要があります。きわめて難しい課題を抱えての会見でした。

2.立ちはだかる白髪の紳士

会見は山口氏が深々と頭を下げ、それも30秒に渡る長い時間、じっと下げ続けるという異様な雰囲気で始まりました。そして山口氏の説明に先立ち、所属事務所のジャニーズ事務所顧問弁護士であるという矢田次男氏が説明を始めました。

要は現在まだ捜査継続中であること、被害者が未成年であることなど、事件の詳細について言えないことがあるという、国会証人喚問の佐川前国税庁長官を思わせるような予防線を張ってきたのです。結果として山口氏は、事件時にどんな会話をしたとか、どんな行為をしたという一番マスコミが興味を持っている部分、おそらく未成年者との性行為の有無などについて明言をしない道を作りました。

しかし佐川氏は証言拒否で大批判を浴びました。今回も、同様に真相から逃げた印象となれば、せっかくの謝罪も成果につながらない可能性があります。私は1時間近い会見全部を見ましたが、ニュースなどではどのように会見映像が切り取られるかわかりません。会見を支配したのは矢田弁護士でした。

佐川氏が慇懃無礼を絵にかいたような反発を招いたのに比べ、矢田氏はその落ち着いた物腰や白髪の老人というビジュアル。すべてがパーフェクトに説得力を持つと思いました。そして話し方も早口でまくしたてたりすることはなく、取材陣が被害者との関係性などに触れた途端にすっとカットインして「その点は、すみませんがご容赦下さい」と、絶妙のタイミングとトーンで介入します。矢田氏の存在がこの会見のキモだと感じました。

3.アメリカンプロレスの悪徳マネージャー

世界最大のプロレス団体WWEのユニバーサルチャンピオン、ブロック・レズナー選手は総合格闘技でも活躍した、無敵の超強豪選手です。風貌もいかめしく、昔のプロレスだったら完全に悪役レスラーのいで立ちです。しかししかし昔の悪役レスラーのように「お前をぶっ殺す」的なこけおどしの発言はせず、基本無言です。ではどうするか?

常にそばにはポール・ヘイマンという悪徳マネージャーがいます。レズナーを誉め称え、対戦選手をボロクソにけなすそのスピーチは、会場のヒート(反発)も呼ぶ一方、あまりの見事なシャベリに登場時の挨拶「マイ・ネーム・イズ・ポール・ヘイマン」は合唱が起きるほど人気?もあります。

世界でもっとも稼ぐ俳優となったドゥェイン・ジョンソンは、かつてザ・ロックとしてWWEのトップレスラーだったように、プロ芸能人を優に飛び越えるほど話術が巧みです。アピールができなければアメリカンプロレスでスターになることはできません。しかしすべてのレスラーがそこまでシャベリができるとは限らないため、ポール・ヘイマンのようなトーク代弁者がいるのです。矢田弁護士は、正に今回この代弁者(Adovocate=代弁者、弁護士の意味もある)として、見事に会見をコントロールし、なおかつ佐川氏のような反発が起きるのを最小限に抑えることができたとのではないでしょうか。

4.矢田弁護士の存在

山口氏は終始うつむき気味で、涙を流し嗚咽ももらしながらゆっくり話しましたが、これは聞き取りにくいだけでなく、意地悪に取れば泣いて逃げを打っているようにもとれかねない、あまり良い印相はありませんでした。むしろ大人の責任として、堂々と伝わりやすく答えるべきだったと思います。

一方、決して大物弁護士であることや超大手芸能事務所の威光をカサに着たような傲慢な態度を見せず、安心できる老医師のように山口氏の背後にたたずむ風情は、ビジュアルやパフォーマンスの点でも素晴らしいものだと思いました。

ダメだといっても繰り返し執拗に質問を投げてくるマスコミに、イラ立ちを見せたりせず冷静に、その都度「すみませんが、それは・・・」とただちにカットインして山口氏にしゃべらせないなど、タイミングを見極めて介入しました。この冷静さは大きく印象に影響したといえるでしょう。

5.山口メンバーの死角はあるか?

私は時間も十分とりつつ、決定的な核心は避け、しかしそれを反発に結び付けないように運営した矢田氏の力で、この会見は成功裏に進んだと思います。会見前まで絶望的だった芸能界復帰について、スポーツ紙でも「復帰時期」が取り上げられるほど、不起訴になればいつかまた復帰はあり得るくらいまでダメージを回復できたのではないでしょうか。

ではこの会見に死角はなかったかといえば、山口氏の発言に気になる点がありました。

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