米国防費の大幅増額・北朝鮮ミサイルの標的は在日米軍・ヤマト株等

■米国防費の大幅増額・北朝鮮ミサイルの標的は在日米軍・ヤマト株等

 トランプ政権が展開している大型減税、インフラ投資、金融規制改革、エネルギー規制改革などのトランプノミクスはアメリカ国内はもとより国際的にも非常に大きな影響を及ぼします。目下、絶賛発売中の「長谷川慶太郎の大局を読む緊急版」の『大転換』(発行:李白社、発売:徳間書店)では、そのトランプノミクスについて広く深く詳述しました。全国の大手書店の店頭に並んでいますので、ぜひご一読下さい。

●アメリカとの新冷戦に勝てるなどとロシアに思わせてはならない

 トランプ大統領は2月28日にアメリカ連邦議会の上下両院合同本会議で初めての施政方針演説を行い、「米軍を再建し、国防費の強制削減措置を撤廃し、史上最大規模の国防支出増額を求める予算を議会に送る」と述べました。具体的には、2018会計年度(2017年10月~2018年9月)予算案で前年度よりも国防費を10%(540億ドル:約6兆円)増やす方針です。

 しかしトランプ大統領は大統領選挙戦中の昨年9月26日の第1回大統領候補者テレビ討論会で、「私はすべての同盟国を助けたいが、私たちは何十億ドルも失っている。私たちは世界の警察官にはなれないし、世界中のすべての国を守ることもできない」とも断言していました。だから、世界の警察官を辞めるにもかかわらず、今回、国防費を大幅増額するというのは矛盾しているのではないか、という見方もあるでしょう。

 現実には今のアメリカの国防費は実態を反映していません。というのも、アメリカをはじめ28ヵ国が加盟しているNATO(北大西洋条約機構)では、ロシアに対抗できるだけの軍事力が整備できていないからです。とりわけ軍事用のドローンと地上部隊の兵士の数が不足しているのですが、なぜそうなったかといえば、NATO加盟国の軍事予算が足りないからです。そのことにトランプ大統領もようやく気が付いて、国防費の大幅増額を表明したのでした。すなわち、アメリカの国防費増額の大きな柱の1つはNATO向けなのであって、対ロシアを考えれば、NATOの中核である米軍は軍拡に踏み切らないわけにはいきません。

 ソ連崩壊で後継国家であるロシアも冷戦の敗北を深く自認して共産党独裁体制を放棄したはずでした。したがって本来なら、政治制度と経済制度から社会主義体質を完全に拭い去る大改革を行い、ロシアを自由経済の民主国家に変えるという努力をしなければならなかったのです。それなのにロシアのプーチン大統領が目指してきたのは正反対のソ連への回帰であって、2014年3月にはウクライナのクリミア半島のロシアへの併合を宣言するに至りました。このとき、オバマ大統領はロシアに対して強硬姿勢を取らなかったばかりか、以後、アメリカの国防費も減らし続けました。それでロシアもさらに増長していった結果、米露関係は新冷戦と呼ばれるほどにまで悪化したのです。放置しておけばロシアもいずれ、アメリカとの新冷戦に勝てるかもしれないと考えるようになるでしょう。

 だから言い換えれば、今回の国防費の大幅増額は、オバマ大統領に代わって登場したトランプ大統領が、新冷戦でのロシアの勝利は絶対に許されないという現実に目覚めた証だとも指摘できます。国防費の大幅増額の予算は連邦議会が認めないと成立しませんが、NATOとロシアの実態に目を向ければ連邦議会も反対できるはずがありません。

●3月末までに重大な事態を引き起こす可能性のある北朝鮮

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