間近に迫った米国大統領選 既得権のマスメディアVSメディア不信の国民の構図 高城未来研究所【Future Report】Vol.279



Shutterstock/Carsten Reisinger



世界の俯瞰図

日本で発行されている大手新聞社の記事の9割は、日本国内の記事で構成されています。しかし、このグローバル化した世界では、政治や経済、テクノロジーや食べ物までもが、一国だけで完結することはありません。

このコーナーでは、世界を俯瞰的に見ながら、日本の立ち位置を考えていきたいと思います。

今週は、いよいよ間近に迫った米国大統領選につきまして、私見たっぷりにお話ししたいと思います。

永田町や霞が関界隈では「もしトラ」と呼ばれる「もしも、トランプが大統領になったら」と、真剣に話す人たちが増えてきました。先週、東京滞在時にいくつかの会議や会食に出席した際に、一ヶ月前まで冗談だった話が、いまや真剣な議論の対象になってきたのが伺えます。

米国が発する報道では、圧倒的にヒラリー・クリントンが優勢で、今週のニューヨーク・タイムズによれば、大統領当選確率ヒラリー91に対してトランプを9として、すでにヒラリー圧勝をあらゆるメディアが連日連夜連呼しています。

もともと米国のメディアは、リベラル色が強く、当初から反トランプの様相でしたが、実は、多くのマスメディアがヒラリーに献金していたことが判明しました。事実、ヒラリー陣営同然のメディアもあり、献金が大きく発覚したことから投票者に疑問を呈することになっています。

なにしろ、暴言が目立つトランプは、あくまでも個人の資質を問われているのに対し、ヒラリーの続々と上がってくる醜聞は、国家の行方を大きく左右するもので、改めてマスコミの中立性も問われるからです。

先日、トランプがトレーラー(屋外移動楽屋)内での会話が盗聴され、大きな問題となりました。いくら楽屋話と言っても、その内容は明らかに女性蔑視な卑猥発言で、これから大統領になる人物の資質を問うには十分な内容でしたが、一方、ヒラリーの醜聞はサウジアラビアや中国からクリントン財団への献金や、ウォール街でのクローズドな講演会にて「あなたたちのために働く」と公言したことなどが次々と噴出し、有権者を困惑させていますが、こちらはマスメディアで大きく取り上げられることはありません。おわかりにように、2016年の米国大統領選は、既得権のマスメディアVSメディア不信の国民の構図でもあるのです。

そんな中、今週ウォール・ストリートジャーナルは、メディアはトランプを叩くけど、ヒラリーの罪を見逃していいのか、と目立たないように小さなコラムを掲載しました。続くように、LAタイムズの調査によれば、トランプがクリントンを全米でわずかにリードしていると、小さく報道しています。そろそろ、もう少し事実に目を向けなければ、と考えているのも見えはじめます。

一方、人種別で投票予測を見ますと(goo.gl/k9gPk0)、白人だけの投票ならトランプの圧勝で、非白人だけの投票なら、ヒラリーの圧勝となります。これは、以前このコーナーでお話したように、オバマがとった移民優遇策が確実に民主党に効いており、今後、二度と共和党から大統領が登場できない明確な理由がここにあります。また、この移民優遇政策(および女性の社会進出)は、「消費者」が増えることを望むウォール街の思惑とも一致するのです。

さて、そんな二極化が明確になる米国事情ですが、僕にとって一番面白かったのは、人気テレビ番組「サタデーナイトライブ」のヒラリーとトランプのパロディディベートでした(https://youtu.be/5tBX5QDyFjw)。アレック・ボールドウィンのトランプが最高です!

米国のマスメディアの偏向や民主党に寄りすぎる問題が取りざたされますが、日本の美味しいネタ満載の政治家たちのパロディを、著名俳優やアイドルがおもしろ可笑しくテレビで演じられる日が、果たしてやってくるのでしょうか?

いま、日本の政治や報道に求められているのは、ネットうんぬんではなく、こちらだと思います。



■目次

… 1. 近況

… 2. 世界の俯瞰図

… 3. デュアルライフ、ハイパーノマドのススメ

… 4. マクロビオティックのはじめかた

… 5. 身体と意識

… 6. Q&Aコーナー

… 7. 連載のお知らせ

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